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【部屋ナビ】どんな部屋でも和風テイストで落ち着いた空間に

フローリングが当たり前のように暮らしている私達ですが、誰しも和風の部屋に落ち着きや安らぎを感じているのではないでしょうか。模様替えや新築をお考えの皆さん、そんな和風テイストの部屋はいかがですか?家具店でコーディネイトをしてきた私のアドバイスを紹介します。

和室のポイント

和室と洋室の一番の違いは何だと思いますか?

一番の違いは空間の多様性です。
同じ10畳の部屋でも、洋間は基本的に家具を移動することなく決められた空間で生活します。
しかし和室の場合、座布団を片付けたり、座卓を移動させて空間を広げれば寝室やゲストルームに早変わりです。

昔の長屋

時代劇などで見られる長屋を思い浮かべて見てください。
土間(台所)以外には部屋が1つだけ。多くても2つです。
その部屋は、食卓になったり、リビングになったり、あるいは仕事場になったり、夜には寝室となり、空間の有効活用していました。

和室の魅力

旅館が好まれる理由

日本人は無意識に、和室に安らぎや懐かしさを感じているものです。
部屋に入った途端、畳の上に、「ああ~」と声を上げながらにひっくり返りたくなるのはそのせいではないでしょうか。

ここからは、そんな安らぎを与えてくれる純和風と和風テイストを加えたお部屋のご提案バージョンを紹介します。
模様替えや、これから新築される方の参考になれば幸いです。

純和室

リビング &ダイニング

和室が一間でもあれば、たくさん人が集う時も、急な訪問者への応接室として、宿泊者がいる時も重宝ですよ。

高級感漂う純和風の部屋。
唐木の座卓に飾り棚、シルクの緞通(絨毯)、こんな部屋を一つ持っていたら自慢ですね。

【アドバイス】
・畳に緞通は当たり前。
こんな立派な和室なら、お土産物ではなく本物を選びましょう。いっそう部屋が引き立ちます。
・緞通を敷いた場合、座布団は不要です。緞通そのものが座布団の代わりですから。

【注意】
緞通の大敵はお茶です。
それ以外ならお風呂場で水をかけて汚れを洗い流すことができ、良い緞通は目が詰まっているので中まで汚れが浸透せず、毎日掃除機をかければクリーニングも10年に1度くらいで大丈夫です。

和室が一部屋でもあると、たくさん人が集う時も、急な訪問者への応接室として、宿泊者がいる時も重宝です。

幕末か明治時代の部屋のようで素敵です。
「畳にダイニングなんて」とお思いの方も多いと思いますが固定観念は素敵なお部屋づくりの邪魔になることもあります。

【アドバイス】
畳にダイニングを置く場合は、畳が傷や凹みが付かないよう、厚めの絨毯等を敷くと高級感が出て素敵になります。

寝室

今や旅館でしかほとんど見なくなった畳に布団。
ふかふかの布団に潜り込んだ時、ベッドとは違った新鮮な感覚で、川の字に寝ると距離感が近くなって話は尽きないものです。
畳敷きの部屋なればこそですね。

【アドバイス】
・布団は出し入れが面倒だから、と敬遠される方が多いです。
だからと言って敷きっぱなしはカビの原因になります。
すのこなどを敷いて通気性を良くすれば片づけをしなくてもOK。
但し、布団乾燥は時々しましょう。
・マットレスの直置きも同じです。すのこなどで通気性をよくしましょう。

モダンな和風の部屋

リビング ・ ダイニング

障子と窓辺の腰掛が和風で落ち着いた印象の部屋です。
畳張りにしたら旅館のリビングのような高級感が生れます。
和室は畳に座ることが前提ですので低めの家具で統一するとバランスがとりやすいです。

オーク色の柱や建具が重厚感を演出し、押入れを開放して明るい色のフローリングにしたことで明るいお部屋になりました。
これだけ重厚感のある部屋なら緞通を敷いて更に気品高い部屋にすることもできます。

【アドバイス】
家具が重みのある和風な作りには軽すぎなのが残念です。
どっしりとした革張りの赤レンガ色のソファに火鉢はいかがでしょう。
建具や柱ともバランスが取れると思います。
カーテンはゴージャス感のあるグリーン系にするともっとメリハリが生れます。

ダイニングキッチンの場合、ダイニングテーブルを置かず、リビングとして活用すると簡単に和室を作ることができますね。
但し、2つの部屋を融合させるにはバランスの取れた家具選びが大切です。

【アドバイス】
・リビングとダイニングを切り離したような色の使いをするとバランスがとりづらく、部屋が狭く感じられます。
・狭い部屋ほど畳に座った方が視界が斜めに広く、いっそう広く感じます。

家具とカーテンの選び方が良いですね。
色目を統一することで一体感が生まれ、リビングダイニングがいっそう広く感じられます。
和風の部屋にブラインドは不向きと思われがちですが、和風の部屋に縦や横のラインは木の直線を思わせるのでとても合うんです。

【アドバイス】
埃は毎日溜まるもの。
好みもありますが、ブラインドよりもシャープシェイドの方がお手入れが簡単でオススメです。

寝室

古民家風の造りに敢えて畳を敷かず、張りと同色のオークカラーで家具を統一され、とても落ち着いた部屋ですね。
家具をロータイプでまとめているのもその要因の一つです。

【アドバイス】
小窓を障子にしたらもっと和風なお部屋になります。
照明に柔らかい光の和紙を使ったり、竹や蔦で編んだペンダントランプもおしゃれです。

写真は旅館ですが、ちょっと広目のワンルームマンションなどなら畳で仕切って和風の部屋にするのは簡単です。
ベッドの足元に同じ高さのチェストやシェルフを置けば見た目にもおしゃれな収納スペースに。
段差を作りたくないなら薄くて持ち運びの楽な琉球畳がオススメです。

洋室を和風の部屋に

リビング ・ ダイニング

ちゃぶ台一つで和風テイストのお部屋に様変わり。
アジアンテイストと和風テイストは共通するものがあるので自然に共存が可能です。
もっと和風の部屋が希望なら、唐木の家具や民芸調の家具で統一すればもっと落ち着いた感じになります。

フローリングの部屋に和風テイストの家具でいろんな和風の部屋を作ることができます。
民芸調の家具ならほっくりした部屋に、唐木家具ならしっとり高級感が得られます。

座卓だけが和風のようですが、小上がりも日本の物です。
意外とアメリカンな部屋に民芸ダンスや火鉢はよく合います。
サイドボードの代わりに民芸ダンスを、座卓の代わりに火鉢でカントリー古民家も素敵です。

和風の家具やレトロ調の家具を配置するだけで和風のモダンな部屋になります。
このタイプのインテリアは、畳敷きの部屋にも洋風感覚を残したまま素敵な部屋づくりができます。

寝室

小物インテリアで和風の寝室に仕上げていますが、これが一番手っ取り早い方法ですね。
パイン材のドアがアンバランスなのが残念です。
ベッドやサイドチェストと同じ色目ならよかったですが。

洋館の一部屋に和風を取り入れたこの感じは日本人には出来そうで出来ないかもしれない発想ですね。
和と洋の対局同士のバランスの融合です。

和室を洋風の部屋に

リビング・ダイニング

ちょっと昭和レトロなおしゃれな部屋ですね。
家具は洋でも和でも合うものなので畳をフローリングに変えるだけで印象が随分変わります。

敢えて和風天井と鴨居を残してリノベーションした部屋です。
和風テイストが落ち着いた空間を作って、ゆったりリラックスできそうです。

【アドバイス】
画面右の背の高いシェルフを低いものに替えて、古着や着なくなった黒留袖の絵羽柄部分を細長い額に入れて飾ったりするともっとキリッと落ち着いた感じになります。

寝室

和室の床の間をベッドボードとして使うアイデアが光る寝室ですね。
シェルフで飾り棚を造ったり、和紙のサイドランプも素敵です。
和室を洋室らしくするのではなく和室らしさをあえて残したお部屋もこんなに素敵です。

築70年の日本家屋でもこんなに可愛いベッドルームに変身!
お金をかけて劇的にリノベーションできるのは当たり前。
でも、アイディア1つでお部屋はこんなに変わるんです。

和風テイストのアイテム

カーテン

カーテンには柄だけではなく様々な形があります。
和風なものもあれば、和風にも使えるもの、それはあなたのコーディネイト次第です。
まずはどんな形があるのか参考いしてください。

夏にはこんな簾調のロールカーテンに付け替えると涼し気で素敵ですね。
お部屋に合わせてカーテンを取り替えるだけでも素敵な模様替えができます。
良かったら参考商品をご覧ください。

家具

民芸箪笥

民芸箪笥は、とってもフローリングの部屋にと合わせやすい家具です。
シックな落ち着いた物から漆塗りの赤や朱色の物、形も様々あり、とっても素敵なアクセントになります。
民芸調の安いものは1万円程度から購入できます。

火鉢

火鉢、又は囲炉裏テーブルとも言い、昔はどこの家にも一部屋はこんな囲炉裏がありました。
今はインテリアとして購入される方がほとんどですが、冬にはお鍋をしたり、我が家ではとても重宝しています。
サイズ、形も様々なので興味のある方は商品カタログをご覧ください。

唐木

雅な和風の部屋を演出するにはもってこいのインテリアです。
紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、鉄刀木(たがやさん)、欅などで作られた、とても高級感のあり様々な商品があります。

【アドバイス】
・飾り棚の戸の飾り板はたいてい裏返すことができ、柄が飽きた時は裏側の無地の方にはめ替えてわびさびを楽しめます。
・座卓の溝が嫌だと言う方がいますが、あれは必要なものなんです。
枠の部分と面の板はかませてあるだけで繋がってはいません。
木は呼吸しているので、溝でそのスペースを作っておかないと変形やひび割れてしまうんです。
安い座卓に溝が掘ってあるのは、それをマネているからなんです。

照明

お部屋を優しく演出する照明は、最後の仕上げ的アイテムでとても重要です。
部屋を左右するものなので、いかに部屋を引き立ててくれるか、装いをプラスしてくれるかを考えましょう。

【アドバイス】
新築した後、「見た目は良いけど結局使わない」と言う声が結構あります。
出窓のトップライトや壁の照明など、実生活で本当に使うのかをよく考えましょう。

【ポイント】
部屋の隅が暗い、部屋が狭い、と言う方は、部屋の隅に低い位置に照明を置くと部屋が広く見えます。

アイディア次第でこんな素敵な照明ができてしまいます。
お部屋に合った自分だけの照明を作るのもまた楽しいですよ。

部屋造りのポイント

和風テイストのお部屋はお気に召していただけましたか?
でも、どんなに素敵な造りでも、どんなに素敵なインテリアでも、アンバランスだったり使いこなさなければせっかくの部屋が台無しです。
そして、何より大事なのがアイディア。
あなたのアイディア一つで素敵な部屋づくりはできるんです。

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