2015/12/10 更新
一生に一度の決断「家を建てる」契約、ローン、手順と注意点
「家を建てる」ほとんどの方が一生に一度の高い買い物だと思いますが、人任せにしてはいけません。後悔しないように失敗しないようにしっかりと情報収集をしましょう。土地選び、住宅建築会社との契約、設計、ローンなど家を建てる前の手順と注意点を学びます。
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家を建てる、家を買う、現金払いの方もいると思いますが、ほとんどの方がローンを組みます。今現在の貯蓄額はいくらでしょうか。頭金として払える額を決めましょう。ローンを組んだ場合に毎月無理なく払える金額はいくらか。ご家族で話し合いましょう、今の仕事が順調だからと高めの設定にしすぎるとご主人が仕事を辞めたりボーナスが出なくなったりした場合にローンが払えなくなる、という方が多くいらっしゃいます。無理なく払える金額を算出してください。
家を建てる費用の注意点は?
建物代には建築費のほかに、電気・ガス・外構工事などにかかる付帯工事費、調査費や検査機関等への申請費、さらに新居への引越代や新調する家具代など、建築以外にもさまざまな費用が必要になること。おおよそ建物代の総予算うちの70~80%が実質の建築費となります。
またこうした費用は通常引き渡しまでに支払うことが多いため、事前にお金の用意が必要になります。
決して他人任せにせず、自分で納得できる住宅の総予算を出す事が重要です。
もし、予算の出し方などに困った場合は専門の
ファイナンシャルプランナーに相談する事をお勧めします。
住宅会社の営業や銀行に相談する事もできるのですが、
できる限り高い建物を売りたい、できる限りたくさん貸したいといった思いがある方に
アドバイスを受けても、中立なアドバイスをしてもらえているか判断に迷いますし、
言われるがまま契約しても責任をとってくれるわけではありません。
家を建てる前の土地選び、皆さんはどんなことを重要視しますか?
比較的自分でチェックしやすいのは最寄りの駅(距離を含めて)、お子さんが通う学校や保育園、病院、スーパーなどの商業施設、街の雰囲気ですよね。しかし家を建てるにあたって見落としがちな重要な点はまだあります。一つは土地の地盤や災害の有る無し、もう一つはご近所トラブルの有る無しです。
家を建てる場所の地盤は?
地盤については、見た目で判断しにくいとは思いますが、昔の土地の状況を聞くことができれば参考になりますし、地名でも水に関連する字が入っているか、で推測できることもあります。
例えば、沢、谷、池、沼、港などが含まれている場合、さらに鷺、亀、鶴、ヨシなど低湿地に生息する動植物の名前が含まれている場合などは、かつての名残が地名に残っているかもしれないため、軟弱な土地かもしれません。
家を建てる場所、周りの環境は?
隣地にはどんな建物が建っているか、その建物の用途は何か、駐車場だけど何らかの建設予定はあるのか、隣地から越境しているもの(屋根や木など)はないか、塀やフェンスなどの仕切りの所有者はだれか、境界ははっきりしているか、などを確認します。
隣地が大きな区画の土地の場合には、アパートやマンションのような大規模建築物が建設されるかもしれません。日照条件・風通しに大きく影響するので要注意です。
近隣トラブルで多い例が、
「近所に変な人が住んでいた」というのを土地を購入してから分かったという失敗です。
変な人って?というと様々ですが、「ゴミ屋敷のような家があったり」、「近所同士で揉めている家があったり」、「お隣がクレーマーで何かと文句を言ってきたり」などなど・・。
家を建てる前から。こんなトラブルもあります
土地を購入する際、家の角がゴミ置き場となっていたので仲介業者に「移動させて」と依頼し、
業者から「別の場所に移動しました」「回覧板で住民に知らせました」と報告を受けたのでそれから
土地を購入しました。
が・・・しばらく経つとまた元の場所がゴミ置き場になっているので再び業者から話を通してもらいました。
それから家の建築を始めた際、また土地の前がゴミ置き場になっているんです。
業者に苦情を入れると申し訳なさそうに対応するとのこと・・・
引っ越す前からトラブルの予感がして不安です。
地域には特定のゴミ置き場がなく、ずいぶん前から購入した土地の前がゴミ置き場になっていたようです。
ゴミの収集場所の問題を抱えているうちは多いそうですよ、せっかく新築で家を建てるのに目の前や外壁にゴミを置かれたら臭いもするでしょうし生ごみがカラスに荒らされるなどの被害もあります。ゴミの収集場所は要チェックですね。
家を建てる土地の契約、ローン
土地と建物を一緒にして住宅ローンを組む場合は
土地探しと建築会社探しを同時に進めて、
土地を決めるときには建築会社も決まっていないと、
土地の決済が間に合わなくなってしまいます。ただ、金融機関によっては
建築確認がおりていなくても、
建築会社と工事請負契約を交わしていれば本審査が受けられるところもあります。
土地と建物を一緒にしてローンを組む場合は、
そのような銀行を探すのが良いでしょう。
ローンについてはこの後の「家を建てる 5.住宅ローンの申し込み」でもう一度お話します。
住宅建築会社選び
土地に建築条件が付いていて住宅会社もセットの場合がありますが、そうでない場合どこの会社にお願いしたらいいのでしょうか。
住宅展示場など見に行かれる方もいらっしゃると思いますが行ってみてどう思われましたか?メーカーの話の上手な営業マンが自社のいいところだけを紹介する、感じの良い営業マンに押されて他を見ずに評判も調べずに契約してしまうなんてこともありますので注意しましょう。
注文住宅を手に入れるには、3つ選択肢があります。
【1】 工務店に依頼する
【2】 ハウスメーカーに依頼する
【3】 建築家(設計事務所)に依頼する
それぞれに特徴や長所・短所があるので、家づくりのプランが見えてきたら、
どこにお願いすれば満足できる結果が得られそうか、じっくり比べて依頼先を決めましょう。
気になる住宅会社、数社にプラン作成を依頼します。そして、それぞれの会社に競合していることをはっきり伝えた方が良いでしょう。
競合他社がいることが分かると、気合の入れ方が違ってきます。
設計申し込み
納得して家づくりを依頼出来そうな、住宅会社が見つかれば今度は本格的なプランの打合せをするために「設計申込」を 行います。
(仮契約などと言う場合もあります。)
ここからは、実際に費用が掛かる事がほとんどです。
10万円程度~ と、言う事が多いようです。
※この段階になると、あなたが本当に銀行からローンが借りれるかどうかの『事前審査』と 呼ばれるものに申し込む事になります。
家を建てる前の地盤調査
もし、地盤が軟弱なコトが分かれば、状況に応じた地盤改良が必要になり、費用が 発生します。その費用は20万円から、中には100万円を超えることもあります。
調査結果に基づき地盤改良すると、地盤に対して、10年間の地盤保証が付きます。この保証は、もし不同沈下などが発生した場合に、5000万円を上限として、補修工事を行ってくれるものです。
家を建てるにあたって家の間取りは希望が多いことでしょう。キッチン、子供部屋、寝室、書斎、お風呂、庭、駐車場、家族構成や家族の意見を考慮して、そこから予算に合うような設計、設備をお願いしましょう。希望は膨らんでしまうものなので優先順位、絶対に必要な物などはしっかり伝えましょう。
プランも見積もりもOK。しかも、信頼できる住宅会社であれば、ついに請負契約を結ぶことになります。
請負契約書は2通作成され、契約当事者が1冊ずつ保管します。
契約書には各自の負担で収入印紙を貼ります。
工事請負契約書に添付される「工事請負契約約款」には、工事中もしくは建物の完成、引き渡し後に、なんらかの問題が生じた時の解決方法が記載されています。発注者にとっては内容が難しく感じるかもしれませんが、大切なことが書かれているため、契約書にサインする前に入手し、ご自身に不利な内容となっていないかしっかりチェックしてください。
家を建てる、購入するにあたって住宅ローンは多くの方が定年まで、もしくは定年後も払い続けるのですが、家は財産として残るものですからしっかりとしたプランで返済していきましょう。
また、土地と建物、別々に借り入れする場合に注意する点があります。
通常、建築工事費が明確になったこの段階でローンを申し込みます。ただ、実際にはプランを練っている段階や資金計画の段階で、金融機関に相談しておくことをお勧めします。
住宅ローンの審査は?
物件の購入申し込みをするタイミングで、住宅ローンの事前審査を申し込むことができる。本審査だけでももちろん問題はないが、万が一、審査が通らなかった場合などを考えると、契約前に、仮にでも確認しておきたいところだ。申込書のほかに、本人確認書類や健康保険証、源泉徴収票などのコピーが必要になる場合が多い。
住宅ローンの事前審査にかかる期間は?
かかる期間については銀行や金融機関によって違いますが、概ね1週間から2週間程度。長くても3週間くらいだと思います。
住宅ローン本審査にかかる期間は?
ほとんどの場合で1週間程度で結果が出るようです。ただ、これもすんなり審査が進んだ場合です。追加で必要になる書類を求められたり書類に不備があったりすると、その分追加で時間がかかります。
土地と家の借り入れの時期、住宅ローン控除って?つなぎ融資って?
土地はローンを組んで、建物は自己資金(+両親からの資金援助)で購入する場合が、実際にあるようですが、そういう場合には、「土地だけローン」になってしまうため、住宅ローン控除は受けることができません。
土地を購入してから期間が開いた後に家の建築をはじめるなら、家が完成したときに住宅ローンの融資がおりるので、土地のローンが残っていれば、住宅ローンと一本化して借り換えるという方法を取れば、住宅ローン控除も受けられることになります。
土地先行融資とつなぎ融資とは?
つなぎ融資とは、住宅ローンの融資が実行されるまでに一時的に借り入れすること。
住宅ローンを組む金融機関と同一の金融機関に依頼することでスムーズに融資が進む。土地先行融資とは、家を建てることを前提に土地代だけ先に融資してもらい、家が完成した時点で家の分の融資を追加してもらう方法。
住宅ローンの申し込み
打合せで決まった、設計図書などと共に借り入れに掛かるある程度まとまった費用が必要になります。
●手数料:数万円
●保証料:借入額に対して0.1%程度、あなたの保証人をしてくれる保証会社に支払います。
●火災保険料:
建てる家が木造かどうか、耐火基準を満たしているか、家の規模等で金額が変わります。
一般的には30万円程度掛かります。
住宅ローン申し込み時に必要なもの
本人家族全員が記載された住民票
印鑑証明書(地元の市区町村で入手)
印鑑証明書に使用した実印
本人確認書類(健康保険証、運転免許証など)
収入証明資料(源泉徴収票、確定申告書、住民税課税決定通知書など)
対象となる物件の詳細資料(不動産会社が手配してくれることが多い)
預金口座通帳など(残高確認のため)
家を建てる際、建築中の建物に必ずこのような看板がありますよね。建築確認申請が通ったというものです。建築確認申請が通れば晴れて着工となります。
建築確認申請とは、家を建てる場合に、その計画が建築基準法等に適合するものかどうか、各市区町村の建築主事の確認を受けるための申請をすることです。
審査の結果、適格となれば、確認通知として副本が申請者に戻され、着工が許可されます。
建築の確認申請は、建築主がするものですが、専門的な事柄ですので、設計者
が代理して、建築主から委任を手続きをします。又、設計者から代理をえて代理
者が進める事もあります。
ここで発行された『建築確認済み証』は大切な書類です。引渡しが終わった後に必ず住宅会社から貰うようにしましょう。
(言わないとこれらの書類を出さないところもありますので、注意しましょう。)
建築の確認申請が通り着工、完成引き渡しを待つばかりとなります。
家を建てるという決断をしてからだいぶ経ちました。しかしだんだんと出来上がってくる家の様子を見るのも楽しみの一つです。
建築中の顔出しは欠陥住宅防止にもつながるといいます。できるだけ見に行き、写真をとったり職人さんに差し入れなどするといいです、その際は決して仕事に口を出したり邪魔をしたりはしないようしましょうね。
何もない0の状態から知識、体力、時間、頭と体をフルで使って土地探しから着工まで。とても大変だと思います。しかし完成まで楽しみですね、夢は膨らみます。また住宅ローンという負担を背負うということで身も引き締まる思いでしょう。これから家を建てるという方、一生に一度の買い物を後悔しないためにしっかりと下調べをして契約にのぞみましょう。