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    カーテン販売員が教える!カーテンの値段差はコレのせいだった!?

    既製品に専門店のオーダーカーテン、インターネットでのオーダーカーテン・・・同じような柄でも値段が全然違うのはなんで!?と疑問に思ったことはありませんか?カーテンの値段について、元カーテン販売員から聞いた秘密教えちゃいます!

    カーテンの値段についての疑問

    カーテンを探すときって、サイズはもちろんのこと色柄も重視しますよね。

    でも、似たようなデザインなのにこっちの商品は1窓1万程度なのに、こっちは2万・・・どうして?というほど値段が違うことあったりしませんか?

    家電や車のようにスペックを数字で比較できないし、服のように試着して違いを肌で感じるなんてことも難しいですよね。

    そんなカーテンの値段について、「どうやって決まっているのか」という秘密をカーテン販売に携わった人から教えてもらいました!

    値段に見合ったカーテンを探したい人、必見です!

    カーテンの値段の秘密 【生地の質】

    カーテンの値段の秘密その1。

    これは「生地」そのものの値段になります。

    同じ柄でも値段が違う?

    安いけどどうかな?

    100×135㎝
    ドレープとレースの4枚組で3780円。
    かわいくて安いけど、画像だけだと生地質までは分かりにくいですよね。


    洋服もそうですが、カーテンも流行りすたりがあり、流行りのカーテンの柄はそこらじゅうに出回っています。特に既製品に多いですね。
    ベーシックな柄なんて、どこのものも一緒に見えますよね。

    ですが、同じ柄=同じ商品というわけではありません。
    生地の厚みや目の詰まり方、などでちょっとずつ値段に差が生まれます。

    お店で見たあの柄がネットで安くあったから買ってみたら生地がぺらっぺらだった・・・なんてことも。

    見た目だけ良ければちょっとした違いは気にならないわーという方でしたら大丈夫ですが、同じ柄・同じサイズの既製品であれば値段が大幅に違えば生地質が少々劣っている可能性もあることを覚えておいたほうがいいでしょう。

    どんな生地が高いの?

    同じ柄だったら、しっかりした生地のほうが高いのは当然といえば当然な話かと思いますが、カーテンに至っては「丈夫かどうか」だけが価格差ではありません。

    これも洋服などと同じですが、
    ・有名な人がデザインしたもの
    ・繊細なディティールをもつもの
    ・特殊な技術を使用しているもの
    などの特徴で生地に差がでてきます。

    キャサリン・ハムネットのカーテン

    キャサリン・ハムネットはイギリス・ケント州出身のファッションデザイナー。
    こちらとコラボした、スミノエのカーテン。

    ほかにもマリメッコのカーテンなどは比較的高めの値段ですよね。

    リヨン織物美術館シリーズ(東リ)

    極端な例ですが、このように緻密に織られた多色使いのカーテンは非常に高価です。
    ただのプリントには出せない表情と、格調の高さは値段相応ですね。

    オパールプリントのレース(アスワン)

    オパールプリントとは、特殊な薬品で柄を染め、その部分の繊維を溶かして、部分的に透明にした加工のことをいいます。透明感があり個性的な柄のものも多くかっこいいです。
    画像も大きなユリの花が美しく浮かぶレースですが、やっぱり高いです。

    これはオーダーカーテンに主に見られますが、びっくりするほど高いオーダーカーテンは基本的に生地の値段が高いのです。
    逆に安いオーダーカーテンは、生地の価格がそれほどでもなく既製品とあまり変わらないものもあります。

    オーダーカーテンの場合は、カタログや価格表にメートル当たりの価格が書いてある場合が多いですので、それを見るだけで「この生地が高いな」というのが分かります。

    機会があれば、店頭で生地の比較と値段チェックをしてみてくださいね。

    カーテンの値段の秘密 【仕様の違い】

    カーテンの値段の秘密その2。
    これはオーダーか既製品かの違いになりますが、「細かな仕様の差」です。
    でもただ縫うだけなのにどこに差が?って疑問に思いますよね。

    メーカーにより細部は異なりますが、代表的な違いをご紹介します。

    ヒダの部分

    オーダーといえば3ツ山、とは言いますが、同じ2つ山でもこれだけ見た目に差があります。

    ヒダが美しくなるように、つまみの部分の縫製や、芯地の幅や素材など「見た目を美しくする工夫」がこの1か所にもたくさん詰まっています。

    左がオーダー、右が既製品の裾部分

    オーダーの裾は、しっかりと三つ折りになった折り返し。
    対して既製品のほうは折り返しをほんの少しとっただけになります。

    また、オーダー品の多くはウエイトといって裾の両端に重りをいれているので、その重さにより裾を美しくまとめるようにしてあります。

    既製品の裾

    薄い生地だと光が透け、既製品は折り返しの部分がみえちゃったりします。

    耳の部分

    耳の部分も、大きめにとり、まっすぐ美しく縫い上げます。もちろんオーダーは耳も三つ折り。

    オーダーのタッセル

    オーダー品のタッセルにはしっかりと芯地が入り形がきれいです。
    本体だけでなくこんなところにも工夫が。

    まだまだ沢山ありますが、それほどにオーダーカーテンは作り手がこだわって美しく、そしてそれが長期間続くように工夫がしてあります。予算に余裕があれば、断然オーダーがおすすめです。

    ちなみに、オーダーカーテンと既製のカーテンの中間である、「イージーオーダー」や「セミオーダー」「サイズオーダー」といった名前のオーダー品があります。

    これは基本的には「既製品の生地と縫製を使ってサイズだけ合わせたもの」になります。
    なので、縫製の質は既製品と同じ場合が多いです。(例外はあります)

    縫製にはこだわらないけど、サイズはぴったりにしたい!という場合にはリーズナブルに仕上がりお得です。

    ただ、「オーダー」という響きにひかれて購入すると「なんだかちょっと美しくない・・・」と感じることもありますし、「これオーダーで買ったの!」と周りの人にいってしまうと、細部を見ると本物のオーダー品でないことは一目瞭然なので恥ずかしい思いをしてしまうかも・・・。

    柄あわせについて

    イージーオーダーや既製品の多くは、幅を継いだ時に柄あわせというのをしないため、画像のように柄がずれてしまうことがあります。

    また、両開きカーテンの場合も同様に、2枚のがらの位置が微妙に違い、閉めた時に柄が合わないなんてことも。ボーダーのときなんかは要注意ですね。

    カーテンの値段の秘密 【流通方法の違い】

    カーテンの値段の秘密その3。
    これは、商品の流通方法の違いになります。

    既製品のカーテン

    消費財の流通段階

    段階が多ければ多いだけ価格があがってしまいます

    これはどんな商品でも同じですが、生産者→卸→小売というように消費者に届くまでいくつもの段階を踏むと、それだけ利益をとらないといけないため最終的な金額が高くなりがちです。

    そんな中で低価格を実現しているものは、自社で大量に既製品を作り販売していたり、全国の店で使う分を大量注文することで値段を抑えていたりします。

    オーダーカーテン

    オーダーカーテンの流通工程は主に2種類です。

    一つは、サンゲツや東リといったカーテンメーカーのものをカタログを通して販売するというスタイルです。
    店頭やネット通販などで品番、サイズなどを指定して注文します。
    この場合はカタログの定価からいくら値引いて販売できるか・・・で値段が決まります。

    また、カタログを持たないカーテンメーカーもあります。その場合は小売店ごとに卸している値段や品番が変わっている場合が多いので「同じ商品かどうか」の見分けと値段の比較は少々難しくなります。

    もう一つの工程は、販売店が自社でカーテンを製造している、というスタイルです。
    この場合、利益を取る段階が減る分、値段を安く抑えることができるというメリットがあります。

    ただし、「カタログで見たあのカーテンがほしい!」という時には向かないので、特定の柄の指定は無いが、値段は抑えつつもクオリティにこだわりたい、という場合は自社で作って販売しているようなカーテンの専門店を選ぶのをおすすめします。

    カーテンの値段の秘密 【細かいところいろいろ】

    カーテンの値段の秘密の中で、意外と大きく値段が変わるコトをご紹介します。

    形状記憶か否か

    形状記憶加工の比較

    カーテンのイメージといったら右ですよね。
    ケチって未加工にすると、残念なことになりかねません。

    同じ生地、同じ縫製でも「形状記憶かどうか」でお値段が変わります。

    形状記憶は完成品に形状記憶の加工を後付けするいわばオプション的なものです。

    ドレープ性がアップし、それが長続きするためきれいに見せるにはおすすめの加工です。

    せっかくオーダーにしても生地質によってはまとまりにくいものだときれいにヒダがでず見栄えが悪くなることもあるので、できれば形状記憶をかけた金額でカーテンを選んでいくと、予算オーバーで加工をできなかった・・・という風にならないのでおすすめです。

    生地幅について

    縦巾使いの生地

    カーテンの生地は、さまざまな高さの窓に合わせられるように、生地幅が100から200㎝程度のロール状の生地をカットして縫製します。
    多くのドレープカーテンは150㎝の生地幅が多いですね。

    150㎝の生地幅で作れるカーテンは、2倍ヒダ(3ツ山ヒダ)で作った場合で約75㎝です。
    そのため、たとえば横幅100㎝、丈200㎝のカーテンを作ろうとした場合、生地は150㎝×200㎝を2枚、カットしてつなぎ合わせて縫製しなければなりません。

    対して、1.5倍ヒダであれば、150㎝×200㎝の生地を1枚で幅100㎝のものが作れますので、単純に考えると半分の生地で出来てしまうのですね。

    ただし、今度は120㎝の幅のカーテンを作るのであれば、2倍ヒダでも1.5倍ヒダでも同じ生地数を使用するので、それなら2倍ヒダで作ったほうが見栄えが良いのでお得というわけですね。

    同様に、生地幅が100㎝であれば生地単価は安いこともありますが結局必要な生地枚数が多く高くなったり、逆の場合もありえます。

    「ちょっとサイズが違うだけで全然値段が違う!」という場合にはこういった事情がありますので、カーテンの金額で疑問に思った場合にはお店の人に聞いてみると生地幅の問題である場合が多かったりしますよ。

    意外?納得?

    いかがでしたか?
    価格の見方が分からない、相場が分からない、といった場合でもこれを知っておくと自分にあった品質と値段のものを買いやすいかと思います。
    ぜひ参考にしてみてくださいね!

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