2016/03/10 更新
- ハーブ(64)
おしゃれで簡単、実用的なハーブの園芸をおうちで始めてみませんか
ハーブ(薬草)は、昔から薬として使われた野草の園芸品種ですが、その他にも香りがいい、食べておいしい、栄養になる、など、ひとの役に立つ力をたくさん秘めています。しかも丈夫で葉や花がきれいなものが多く、簡単園芸にもってこい!気軽にハーブを育ててみましょう。
[表示する]
ハーブの苗を買う
ハーブ園芸を始めてみたいな、と思い立ったとき、一番手軽でわかりやすいのは、園芸店や花屋さんなどで売っているポット苗を買ってくることです。これなら窓辺や庭に置くだけであまり手間がかかりませんし、初めからある程度育っているので、ハーブの姿や香りなどを確かめて買うことができます。ですから、一番最初に試すときは、苗を買ってみるのが楽で便利。
ハーブの種を買う
種まき、というとなんだか難しそうですが、ハーブの場合、意外と簡単です。生命力が強いので、土にばらまいただけでぐんぐん芽が出る、というハーブがあるくらいです。また、かわいいポットつきのハーブ園芸セットも売っています。園芸の手始めとしてハーブの種まきをしてみると楽しいですよ。
シソ科のレモンバームの和名はセイヨウヤマハッカ。メリッサという名前もあります。葉を切るとさわやかなレモンの香りがして、ハーブティーとしてよく使われます。お風呂に入れてもすてきです。
園芸種の種をまくなら、春の4~5月、または秋の9~10月、箱や鉢などに市販の用土を入れて種をばらまき、軽く土をかけて、たくさん生えてきたら間引きながら育てます。本葉が6~7枚になったら、水はけのいい場所かプランターなどに植え替えます。
このハーブはよく日が当たり、水はけと風通しのいい場所が好みです。ただ乾燥に弱いため、夏は半日陰がいいです。肥料は植えつけたときと初夏に粒状肥料をばらまけば大丈夫。
伸ばしすぎると下葉が枯れるハーブなので、どんどん使っていつも10cmぐらいの高さにしておくと、きれいに保てます。白い粉が葉に浮いたらうどんこ病ですので、初期のうちに茎ごと切って広がらないようにしてください。
カモミールはカモマイルともいい、春から夏の初めに小菊のようなかわいい花を咲かせます。ハーブに使うのはこの花で、青りんごのような甘い香りを、ハーブティーにしたり、ポプリや化粧品に入れたりして楽しみます。
園芸種は春の4~5月か秋の9~10月に種まきをします。極寒の地方以外は秋にまいて大株にできます。種は地面をすこし耕してじかにまくか、箱などにばらまいて草丈7~8cmで大鉢または庭に30cm間をあけて植えます。この写真のローマン種は春に挿し芽でふやすことができます。
カモミールは日当たりと水はけがよく、ハーブの中では肥えた土地が好きです。鉢植えでは土の表面が乾いたときにたっぷり水を与えましょう。
このハーブは金蓮花(きんれんか)という和名で知られ、園芸用の花苗として有名な美しい品種です。花と葉はピリッとした辛味があり、サラダに使われます。若い実はすりおろすとワサビ代わりにもなります。
霜が降りなくなれば種まきできます。大きな種なのでまきやすく、一晩水につけると発芽しやすいです。鉢なら2粒ぐらい、プランターなら手の幅ほど間をあけて1cmほど土に埋めます。植え替えはしないほうがいいです。園芸苗で買ったら根の土をくずさないように植えつけましょう。
このハーブは日当たりと風通しがよく、涼しい場所が向いています。乾燥させすぎはよくありません。鉢植えは土の表面が乾いたら底から水が出るまでたっぷりやりましょう。
清らかな香りで、若返りに効くといわれるローズマリーは、秋おそくからパステルカラーの小花をつける美しいハーブです。草ではなく潅木で、花色が多く、香りもとりどり。若い枝を切って化粧品やポプリ、入浴剤などに使います。また料理の臭い消しや香り付けとしても利用されます。
4~6月か9~10月に小鉢などに種をまき、弱い苗を間引いていきます。植え替えを嫌うので、10cmぐらいになったら目的の場所に、根の土をできるだけ崩さないように植えつけます。買った園芸苗を植えるときも根を痛めないように注意が必要です。
このハーブは日当たりと風通しのいい場所に植えましょう。鉢植えでは水はけのいい土を使います。庭に植えたときは、植え付け直後にたっぷり水をやったら、その後はほとんどやる必要はありません。鉢植えでは乾いたときに。
おなじみの縮れた葉のパセリにくらべて、同じ園芸種でもイタリアンパセリは葉が平らで味がやわらかく、甘みがあります。主に料理の彩りとして使われますが、食べると消化にいいといわれます。
種まきは春と秋にできます。移植をきらいますが、じかまきでいいのでかえって楽です。プランターなどに市販の園芸土と適量の肥料を入れ、ばらまいて軽く土をかけておきます。芽が出たら間引いて、料理に使ってください。
パセリは強い日光を必要としないので、窓辺に置いて楽しむのにぴったりのハーブです。
庭に植えるときは、植え付けの半月以上前に1m平方あたり100gの苦土石灰を混ぜておきます。パセリは日本に良くある酸性土壌に弱いのです。また直射日光もあまり好きではないため、半日陰が合っています。
庭できれいに咲くサルビアの仲間です。昔から薬用に使われ、今はおもに肉料理やワイン、油などの香りつけに使用されます。ハーブティーやポプリにも最適。防腐殺菌効果もあるそうです。
種まきは春と秋に行ないます。ただし育ちがおそいため、普通は園芸苗を買って植えるか、挿し芽をして増やしします。もともとは潅木なので、植えつけてから何年かすると根元が木のようになって弱りますが、若い枝を挿し木して株を新しくすればまた使えます。
花が咲くときの葉が、ハーブとして使うのに最適です。病虫害はほとんどなく、丈夫な園芸作物です。庭植えでは、しっかり根がつくまで水やりをたっぷり行ないます。
シソ科のハーブで、日本では種を水にひたして目に入ったゴミを取っていたそうです。イタリアン料理になくてはならない香草で、トマトとの相性ばつぐん。殺菌作用や消化促進効果があります。
丈夫で発芽率がいいので、種から育てるのが簡単です。桜が咲いたら箱などに園芸用土を入れて水をかけておき、ばらまいて軽く押しておきます。土はかけないほうがいいです。2~3日で発芽し、すぐ大きくなるため、間引きして苗の間を広くあけておきましょう。
バジルは丈夫で暑さに強いですが、水切れには弱いハーブです。鉢の土がかわいたらたっぷり水を与え、庭植えでも乾燥したらすぐ水やりしてください。なお、急に苗の先がしおれてきたら、軟腐病なのでその苗をすぐ抜いて処分し、鉢植えなら土も捨てて、他にうつさないようにします。
作りやすくて人気のある園芸用ハーブの育て方を7種類ご紹介しました。意外に簡単に育てられそうで、驚かれたのではないでしょうか。他にもコリアンダー、ミント、チャイブ、ラベンダーなど、すてきなハーブはまだまだ沢山あります。このまとめを見て、奥深いハーブ園芸の世界に興味を持っていただけたらうれしいです。