初心者でも簡単に出来る!お花や多肉植物の挿し木の方法まとめ!
2016/08/24
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2016/03/30 更新
春は可愛い花が咲き、夏は果実、秋は紅葉と、1年を通して楽しませてくれるブルーベリー。樹も大きくなり過ぎないので、庭木としても大人気。そんなブルーベリーを増やしてみたいと思いませんか?今回は挿し木の方法など、ブルーベリーの挿し木について色々とまとめてみました。
まずはブルーベリーについて簡単にご紹介します。
ブルーベリーとは
ブルーベリーとは、ツツジ科スノキ属に分類される落葉低木果樹の総称で、原産地は北アメリカです。栽培品種の成木の樹高は1.5m~3mですが、北米大陸でのみ栽培されている野生種に近い品種は、数十cm程度の低木だそうです。
果実は古くから食用として利用されていましたが、20世紀以降は果樹としての品種改良が進み、多くの品種が作られました。
1年を通して楽しめる果樹
ブルーベリーは、春は釣鐘状の可愛らしい花をつけ、花後に0.5cm~1cmの小さな青紫色の甘い果実をつけます。そして秋には紅葉します。
このように、果実が食べられるだけでなく、鑑賞用の植物としても1年中楽しめる木なのです。
2品種以上を植えないと実がならないブルーベリー
ブルーベリーは「自家不和合性」といって、自家受粉しない(しにくい)性質を持っています。そのため、同じ系統で違う品種のブルーベリーを2本以上植えないと実がつきませんので、気をつけましょう。
2本以上を近くに植える事がポイントです。後はミツバチなどの昆虫によって相互に受粉されるのを待ちます。昆虫が少ない環境の場合は、違う品種の花粉を用いて人工授粉を行いましょう。
品種改良が進んだ事により、数多くの種類と品種があるブルーベリー。系統としては6つありますが、食用として重要なのは3つで、細かい品種になると数百種にも及びます。
同じブルーベリーでも、種類や品種によって性質は異なりますし、育ちやすい環境も違ってきます。そこで、ここではブルーベリーの品種をいくつかご紹介します。自分が用意できる栽培環境にあったブルーベリーの品種を見つけて下さい。
ハイブッシュブルーベリーは大粒の実をつける事が特徴で、その大きさは1.5cm前後にもなります。耐寒性があるので、日本では北海道や東北、北陸などでよく作られています。ハイブッシュブルーベリーの主な品種は3種類あります。
ノーザンハイブッシュ (ノースハイブッシュ/北部ハイブッシュ)
アメリカ北東部を中心に分布する野生種を改良したブルーベリーで、耐寒性があり寒冷地向けの品種です。樹高は1~2mほどになります。
酸性土壌で育つと言われているブルーベリーですが、ノーザンハイブッシュ系のブルーベリーは酸性土壌では育ちません。ノーザンハイブッシュ系ブルーベリーを育てる時は、中性の土壌になるように改良しておきましょう。
ノーザンハイブッシュ系ブルーベリーの代表品種には、「コリンス」「チャンドラー」「ジャジー」「ブルークロップ」「ブルーレイ」などがあります。
サザンハイブッシュ (南部ハイブッシュ)
ノーザンハイブッシュ系ブルーベリーを改良した品種で、温暖地でも育てられるブルーベリーです。ノーザンハイブッシュとは逆に、酸性土壌で生育が良くなりますが、温暖地向けに改良されているため、寒冷地では育ちにくい品種となっています。
代表的な品種は「シャープブルー」「サンシャインブルー」「ミスティー」「アイブルー」「オニール」「ガルフコースト」「マグノリア」などです。
ハーフハイブッシュ (半樹高ハイブッシュ)
ノーザンハイブッシュとローブッシュ(ワイルドブルーベリー)との交配種で、寒冷地向けのブルーベリーです。果実は小粒で、樹高も1m以下とコンパクトですが、凍害に強いという特徴があります。
代表的な品種は「「ノーススカイ」「ノースブルー」「ノースランド」などです。
ラビットアイブルーベリー
果実が熟する前にウサギの目のように赤くなるため「ラビットアイ」という名前で呼ばれるようになったブルーベリーです。樹高は1m~3mほど。開花は3月頃からですが、開花期間が長く、約1ヵ月間咲き続けます。
日本での栽培適地は関東以南で、砂質土から粘質土まで土壌適応性が広く、ノーザンハイブッシュ系およびサザンハイブッシュ系よりも生育旺盛で収穫量も多いのが特徴です。ただし他家受粉性なので、果実の収穫量を増やすために開花時期の重なる2品種以上を混植する必要があります。
ラビットアイブルーベリーの代表的品種は「ホームベル」「ブルーシャワー」「ウッタード」「クライマックス」「「ノビリス」「パウダーブルー」「ティフブルー」「フェスティバル」などです。
ローブッシュブルーベリー (ワイルドブルーベリー)
別名を「野生のブルーベリー」と言い、アメリカやカナダなどの寒い地域に自生している品種です。岩や石が突き出ているような荒れ地で育ち、地を這うような樹形をしています。日本で育てられる事はあまりありません。
食用として「ワイルドブルーベリー」という名で知られています。代表的な品種は「シグネクト」「ブルンズウィック」などです。
ブルーベリーは果樹の中では比較的育てるのが簡単な方なのですが、それでも「枯れてしまった」と言う声が聞かれる事があります。また、挿し木などで増やすにも元気に育ったブルーベリーの木が必要です。
そこで、ここではブルーベリーの育て方をご紹介します。
日当たりの良い場所で、水切れに要注意
ブルーベリーは耐陰性はありますが、日照不足になると花つきが悪くなり、果実の出来も悪くなってしまいますので、日の当たる場所で管理しましょう。
要注意なのが水やりです。ブルーベリーの根は浅く横に広がる特徴があります。そのため水切れを起こしやすいので、水切れには要注意です。
春と秋は土が乾いたら、夏は毎日水やりを行うのが目安です。地植えの場合は、植え付け初期はたっぷりと水を与えましょう。鉢植えの場合は土が乾いたらたっぷりと水を与えます。
地表が急激に乾かないための工夫としておすすめなのが「マルチング」です。藁やもみ殻といったマルチング材で土の表面を覆うと、これらが水分を含んだり、地表からの水分蒸発を防いだりしてくれるので、急激な乾燥防止に役立ちます。
用土選びはブルーベリーの育て方の最も重要なポイント
実はブルーベリーを育てる過程で、最も重要で初心者が一番失敗しやすい原因が用土にあります。ブルーベリーは酸性土壌を好むので、普通の用土は使えないのです。ブルーベリー専用の土が市販されていますので、それを使用する事をおすすめします。
ブルーベリーの育つ土壌はpH4.5~pH5.3が目安で、品種によって好むpHが異なります。
ハイブッシュ系はpH4.3~pH4.8、ラビットアイ系はpH4.5~pH5.3が好適pHです。ラビットアイ系の方が好適範囲が広く育てやすいと言えます。
ブルーベリーの土づくりに欠かせないピートモス
ブルーベリーの栽培に欠かせないのがピートモス。水苔が数千年以上堆積して出来たものと言われています。ピートモスは土を酸性にするので、ブルーベリーの地植えと鉢植えの両方に必要とされています。市販されているブルーベリー用の土にも必ず入っています。
市販されているピートモスには石灰などを入れて酸度調整されているものがありますが、ブルーベリーに必要なのは酸度未調整のものなので、購入の際は確認しましょう。
ピートモスは水を吸収しにくいため、使用する時は水を吸わせてから使用します。水に馴染ませてないと、水を弾いてしまうため、ブルーベリーの苗木を枯らしてしまう可能性があるからです。
土を作る場合、配合は品種や環境によって異なりますが、大体の目安はピートモス6:鹿沼土4の割合で混ぜて使うそうです。さらに通気性を上げるためにもみ殻、バーライト、ココヤシチップを適宜加える事もあるそうです。
ブルーベリー専用の肥料を使用するのがおすすめ
酸性でないと枯れてしまうブルーベリーのために専用の肥料が市販されていますので、肥料はそれを使うのがおすすめです。
肥料を与える時期は、春の芽吹く頃(2月~3月)、5月~6月、8月~9月です。2月~3月は春の芽吹きのための元肥、5月~6月は実をつきやすくするため、そして8月~9月はお礼肥として与えます。
植え付けの時期は、一般的落葉果樹と同じく休眠期
ブルーベリーの苗の植え付けは、休眠期に行います。1月~2月の寒い時期は避け、関東地方よりも北の地域は3月、関東地方よりも西は10月~11月に行います。
植える場所は日当たりが良く、水はけが良い場所を選び、用土には水はけの良い酸性用土を使用します。この時、酸度未調整の吸水させたピートモスを使うとよく育ちます。
ブルーベリーの根は地表近くに広がるので、深植えしないようにします。根の周りを吸水させたピートモスで包んで植え穴に入れて植え付けます。
植え付けた後は根元に土を寄せますが、踏み固めないようにします。最後の仕上げに乾燥防止のために藁やもみ殻などの有機物でマルチングします。
夏季剪定と冬季剪定の2つがある
ブルーベリーは剪定をしなくても果実を実らせてくれる果樹です。そんなブルーベリーの剪定理由は
「弱っている木の負担を減らす」「育ちすぎた木を抑制する」といった目的にあります。
そんなブルーベリーの剪定の適期は夏と冬。成長中の夏と冬~春にかけての休眠期に行う事で、良質な果実をバランス良く実らせ、樹木も健康に育つ事ができるのです。
6月下旬頃に長く伸びた枝を3分の1ほど切り取り、8月に分枝するのを待ちます。
成長が早い、傷ついている、内側に向かって生えている枝を放置していると、樹木の健康にも良くない上に花芽もつきにくくなるので、定期的に剪定しておきましょう。
冬の剪定は11月~2月が適期です。ただし、雪の積もる地域では枝が折れてしまうなどといった事が起こる可能性があるので、積雪対策として事前に剪定を行った方が良いです。
ブルーベリーの冬期剪定
ラビットアイ系ブルーベリーの冬季剪定の様子を紹介している動画です。ブルーベリーの剪定は植え付けた年数によって少し方法が異なりますが、冬にしっかりした剪定を1回だけ行うのが基本である事は共通しています。果実の数が少ない、傷ついている枝が多いなど木が弱っている時は、さらにしっかり切っておきましょう。
ブルーベリーを増やす方法
ブルーベリーを増やす方法としては挿し木と種から育てる方法とがあります。しかし、種から育てるのは時間と手間がかかるという事で、挿し木を使うのが一般的です。
ブルーベリーの挿し木のやり方は一般的に行われている挿し木のやり方とそう変わりません。適切な時期に、挿し木とする枝を土に挿して管理します。
ブルーベリーの挿し木のコツ
ブルーベリーの挿し木を成功させるコツは2つあります。1つは「剪定した枝を挿し穂にする事」、もう1つは「用土にピートモスを混ぜて保水性を高める事」です。
ブルーベリーの挿し木は適期はありますが、いつでも行う事が可能です。ただし時期によって水やりの回数や成長速度などが違いますので、管理の仕方が異なってきます。
それでは、ブルーベリーの挿し木のやり方をご紹介します。
挿し木の方法
1. 挿し木用の鉢(プランター)を用意して、鉢底から軽石、ピートモス+土を混ぜた用土を用意する
2. 用土に水をかけて水を含ませておく
3. 約10cmの挿し穂を用意し、切り口をナイフなどで尖らせる(夏は先端に葉を2枚残し、2枚を半分にカットする)
4. 5cm間隔で挿し穂を植えていく(3~4週間後に発根)
以上がブルーベリーの挿し木の基本的なやり方です。
ここからさらに挿し木の成功率を上げるためのポイントをご紹介します。
挿し木成功のポイント① 挿し木の時期・適期は剪定後
ブルーベリーの挿し木は基本的に1年中行えますが、適期は7月~8月、11月~12月の剪定後です。切り取ってからの時間が短ければ短いほど発根率が高く、成熟しやすいとされています。
切り取ってすぐに挿し木にしない場合は、密閉できるビニール袋などに入れて、挿し木にする時まで冷蔵庫で保存します。外に置いていると袋の中で腐ったり枝枯れ病にかかったりしますので、保存する場合は早めに冷蔵庫に入れて下さい。
ブルーベリーの挿し木は、挿し木する時期によってその呼び名が変わります。秋から年明け前にかけての休眠期の挿し木を「休眠枝挿し」、夏の成長期(7月以降)の挿し木を「緑枝挿し」と呼びます。
ブルーベリーの挿し木(休眠枝挿し)
ブルーベリーの挿し木(休眠枝挿し)の動画です。休眠枝挿しは初めて挿し木をされる方、家庭菜園におすすめの方法です。生長の鈍る休眠期は、水やりの手間などもあまりかからず、剪定後の枝が利用できるので、その点も非常に効率的です。水やりは基本的に土が乾いてから行います。
ブルーベリーの挿し木(緑枝挿し)
ブルーベリーの挿し木(緑枝挿し)の動画です。気温を常に30度以下に保ちながら行わないといけないなど、温度管理が難しい方法のため、緑枝挿しを行う方の多くは仕事などの都合上、挿し木が必要な育苗家やブルーベリー農家の方です。水やりは早朝や夕方など、暑い時間を避けて行います。
挿し木成功のポイント② 用土や挿し穂
挿し木と用土の準備をしっかりやっておく事が、最も重要です。挿し木したい数だけ枝を用意し、10cm程度の長さに切って、切り口はよく切れるナイフなどで斜めにカットしておきます。そして先端にある花芽を捨てておきます。挿し木する3時間前に水につけて吸水させておきましょう。
用土はピートモス5:鹿沼土5を混ぜた土を使います。
良い挿し穂の条件があります。休眠枝挿しに使用する挿し穂は太くてしっかりと伸びている充実した1年枝、緑枝挿しに使用する挿し穂は、葉が付いた太くてしっかりと伸びた充実した1年枝です。
準備さえきちんとできれば、ブルーベリーの挿し木はそう難しいものではありません。後は適度な水やりと剪定さえできれば、成長して果実を実らせます。
いかがでしたでしょうか?
ブルーベリーの挿し木について色々とご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
可愛い花と紅葉、美味しい果実と、1年中楽しめる素敵な樹木ブルーベリーをぜひ増やして、ライフスタイルの向上にお役立て下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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