2016/05/14 更新
植え替えはいつ?カラーを元気に育てるポイントをご紹介します!
上品な花姿が人気のカラー。しかしいざ育ててみると、花が咲かないなどの声がよく聞かれる植物でもあります。実はカラーの育て方には気をつけるべきポイントがいくつかあり、植え替えもその重要なポイントの1つ。植え替えの時期など上手に育てるためのポイントをご紹介します。
原産地の南アフリカには、約8種類のカラーが自生しているそうです。
原種は少ないですが、園芸品種は100種類はあるとされており、色や形、大きさも品種によって様々なバリエーションがあります。
切り花やフラワーアレンジメントでも人気
カラーは、切り花やフラワーアレンジメントの素材としても人気があります。
そのシンプルな花姿が他の花とも合わせやすく、スタイリッシュにまとめてくれます。
鉢植えや地植えにしても、スッキリとした印象のお庭にしてくれます。
カラーの花言葉
ウェディングブーケにおすすめな花言葉
カラーの花言葉は『乙女のしとやかさ』『華麗なる美』『清浄』『清純』など、花嫁にぴったりな言葉が多いのが特徴です。
そしてカラーの真っ白でシンプルな花形がウェディングドレスによく合う事から、ウェディングブーケによく用いられます。
カラーには白色以外の色がありますが、花色によって花言葉が変化します。
ピンクは『情熱』、黄色は『壮大な美』、紫は『夢見る美しさ』です。どれも素敵な花言葉ですね。
カラードレスに合わせた色のブーケを作る方もいるそうですよ。
湿地性と畑地性
カラーは性質上、「湿地性」と「畑地性」の2つに大別されます。育つ環境が異なるため、水やりや土作りなど、育て方に違いがあります。
植え替えや置き場所などは大体共通していますが、細かいところでは異なっている点もあります。
園芸店などで取り扱っているカラーは、花色が豊富な畑地性が多いそうです。
湿地性カラー
水のある湿地や山地に自生する種から作られたカラーです。乾燥を嫌い、湿り気のある土壌を好む性質を持っています。
主な開花期は春ですが、耐寒性があるので、18度以上の気温がある地域なら、冬でも開花する事があります。
切り花で使用される白いカラーの品種は、この湿地性カラーが多いそうです。
畑地性カラー
水はけの良い場所を好むカラーです。湿地性に比べると耐暑性や耐寒性はやや低く、過湿を嫌います。
開花期は初夏で、花色が豊富なのが特徴です。1球からたくさんの花を咲かせるミニカラー系と、大輪のハイブリット系があります。
花色が豊富な事から、園芸でよく用いられています。
主に栽培されている4種と、豊富な園芸品種の一部をご紹介します。
オランダカイウ
湿地性カラーの代表品種です。1843年に日本に渡来しました。
草丈は約90cm、花は白色。芳香があります。強健種でもある事から、多くの園芸品種の元となりました。
草丈が低く、花がたくさん咲く変種のシオザキカイウも、オランダカイウから出た園芸品種です。
シロボシカイウを元に交配させたものがハイブリッドカラーとして知られ、豊富な園芸品種を生みました。
モモイロカイウ
ムラサキカイウの別名がある畑地性カラー。日本に渡来したのは大正初期、淡い桃色~紅紫色の花色が特徴の品種です。
草丈は約30cmと低く、花も他の品種と比べると一回り小さいので、可憐な印象があります。
日が経ってもピンク色にならない「クリスタルクリアー」という園芸品種もあります。
フローレックスゴールド
数ある黄色のカラーの中でも、最も美しいとされている園芸品種です。
ただし、やや気難しい性質のため栽培は少々難しいところがあるとか。
それでもその美しさから根強い人気がある品種です。
マジェスティックレッド
ハッとするような濃いワインレッド色のカラー。大人気の園芸品種です。
シックな色調で存在感のあるブーケが作れる事から、ウェディングでもよく用いられています。
切り花でも人気が高く、良質なものはかなり高値で取引されるそうです。
ガーネットグロー
濃いピンクのカラーの代名詞と言われるほど人気の高い園芸品種です。
色もそうですが花の形がとてもよく整っているので、鉢花にしても切り花にしてもよく映えます。
草丈もあまり大きくならないので、鉢花に適しています。
ホットチョコレート
黒でも紫でもないエンジ色。非常に珍しい色のカラーです。夏場は紫みが強く、冬場は黒みが強く出ます。
大型で花もちが良く、しかも独特の花色に加えて光沢があることから、高級感抜群の花として人気が高い品種です。
ピカソ
暗紫色に白のツートンカラーという、他の品種にはない色彩が魅力の園芸品種です。葉も白斑が入っていて、とてもアーティスティックな花姿。
非常に魅惑的で美しいカラーですが、個性が強い分、演出のセンスが試されそうですね。
シンプルなものからアーティスティックなものまで、色々そろっている園芸品種。もちろん、この他にも魅力ある品種はたくさんありますよ。
カラーを上手に育てるためのポイントとは
少し前に書きましたが、カラーには湿地性と畑地性の2つのタイプがあり、育て方が異なります。
簡単に説明すると、畑地性はやや乾燥気味に、湿地性は湿気気味に育てると上手くいきます。
カラーを上手に育てるためのポイント、置き場所や植え替えの適期などをご紹介していきます。
日当たりと置き場所
どちらも日当たりの良い場所が必要。ただし夏の日差しは避ける
湿地性カラーも畑地性カラーも、日当たりの良い場所で育てる事は共通しています。
日当たりが悪いと花が咲かない事がありますので、気をつけましょう。
ただし、夏だけは直射日光を避けます。
地植えの場合は日よけネットなどを使い、鉢植えの場合は半日陰の場所に置くなどして、直射日光が当たらないようにしましょう。畑地性は高温多湿に弱いので、気温に気をつけましょう。
冬越え対策は湿地性と畑地性で少し異なります。
湿地性カラーの場合、霜の心配がない暖地なら、地植えでもそのまま冬越しが可能です。凍る事がないなら、球根は掘り上げずに地面に腐葉土や土をかぶせて保温すれば大丈夫です。寒冷地の場合は掘り上げて貯蔵します。
鉢植えの場合は室内へ移動させましょう。
畑地性カラーは耐寒性が低いため、地植えの場合は11月頃、葉が枯れたら球根を掘り上げて、軽く湿らせた水苔やおがくずなどでくるみ、凍らない場所で春まで貯蔵します。
鉢植えの場合はそのまま室内へ移動させます。
土作りと肥料
好む土質が異なるのに注意する
湿地性カラーは湿り気のある土を好むので、水もちの良い土を使いましょう。
赤玉土(小粒~中粒)6:腐葉土4で配合して作るか、鹿沼土だけを使用します。
過湿を嫌う畑地性カラーは水はけの良い土を好みます。
赤玉土(小粒~中粒)5:腐葉土3:川砂2の割合で混ぜた土か、草花用培養土などの水はけの良い土を使います。
肥料は球根を植え付ける際に、緩効性化成肥料を土に混ぜ込めばOKです。後は4月~6月の間に月1回、追肥として固形肥料を適量株元に置きます。
カラーは3~4年に1回は植え替え作業が必要なので、その時にも肥料を土に混ぜ込んで行います。
水やり
葉や茎に当てないように与える
どちらのカラーも生育期は土の表面が乾いたら水を与える点は共通しています。
葉や茎に水が当たると痛んでしまうので、株元に静かに与えるようにしましょう。
そして秋からは徐々に水を減らしていき、休眠期の冬は水やりを止めます。
ただし、乾燥を嫌う湿地性カラーの場合は、冬も乾き切らない程度に水を与えます。
花後の管理
枯れた花や葉はこまめに切り取る
枯れた花は花茎の付け根から切り取ります。枯れた葉もこまめに切り取ります。風通しを良くして、病気や過湿を防ぐためです。
ただし、元気な葉は球根が栄養分を吸収して大きくなるために必要なので、枯れるまで置いておきます。
翌年もカラーの花を見るために重要なのが、球根を充実させる事です。花が終わった後もしっかり管理しましょう。
葉が枯れたら球根を掘り上げて、乾燥しないように管理・貯蔵し、春に植え付け・植え替えを行います。
鉢植えのまま室内で冬越しをさせる場合も、春に植え替えを行うのがおすすめです。球根が鉢いっぱいに育っていたら分球するか、一回り大きな鉢に植え替えましょう。
増やし方
分球が有効。植え替えと同時に行うとスムーズ
カラーの増やし方で一般的なのは分球です。球根を掘り上げ、芽が必ず1つ以上入るようにして清潔なナイフで分割します。
分球した球根は病気にかかりやすいので、殺菌剤などをまぶしてから植え付けます。
湿地性カラーと畑地性カラーで適期が異なります。湿地性カラーは9月~10月。畑地性カラーは3月~4月です。
湿地性は冬越しに備えて掘り上げる時期、畑地性は植え付け・植え替えの時期に当たっているので、植え替え作業と同時に行うとスムーズに進みます。
球根はあまり細かく分けると花つきが悪くなるので、数年に1度程度にしましょう。
カラーの重要な作業の1つ・植え替え
植え替えはカラーにとって重要な作業
カラーにとって植え替えは重要な作業の1つです。これは湿地性も畑地性も共通です。
と言いますのも、カラーはずっと同じ場所で育てていると生育が悪くなってしまう植物なのです。
3~4年に1回は場所や容器を変えて植え替えます。
カラーの育て方で上手くいかない原因に、植え替え作業を行っていなかったというのもあります。
植え替え作業は手間がかかりますが、良い花を咲かせるために頑張りましょう。
植え替えの適期
植え替えの適期は3月~4月
植え替えの適期は3月~4月です。植え付けの場合も同様の時期に行います。
カラーの球根は病気にかかりやすいので、殺菌剤を散布してから植え付け・植え替えを行います。
植え付けの場合は、平鉢に球根を半分ほど埋まる程度の浅植えにして、発根したら鉢やプランターに植え替えます。
湿地性カラーの植え替え
湿地性カラーの植え替え
湿地性カラーは大きくなる品種が多いので、鉢植えで育てる場合は8号鉢に1個を目安に植え付け・植え替えを行います。
植え付ける時の深さは、球根の頭が地表と同じくらいの浅植えです。
植え替える時も同じ土と容器を用意します。
湿地性カラーは乾燥を嫌うので、受け皿に水をはって乾燥を防ぐのも良いでしょう。
畑地性カラーの植え替え
畑地性カラーの植え替え
畑地性カラーを鉢植えで育てる場合は、6号鉢に2球を目安に植え付けを行います。
植え付ける時の深さは、球根の頭に土を2~3cmかぶせるほどの深さにします。
畑地性カラーは耐寒性が低いので、10月~11月になって葉が枯れてきたら球根を掘り上げて貯蔵するか、鉢植えならそのまま室内へ入れて管理し、春が来たら新しく植え替えます。
カラーの種類や育て方などを見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
凛とした姿が素敵なカラー。ぜひ育てて、そのスタイリッシュな美をライフスタイルの演出にお役立て下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。