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塀の種類を憶えて、 ウオッチングで、自宅の塀で楽しみましょう。

普段何気なく見ている塀ですが、種類もそのアレンジも意外と多彩にあります。文化遺産からご近所の塀まで、伝統工法からモダンなデザインまで、見て歩くのも画像で眺めるのも楽しいものですし、また、実際に塀を作る時の参考になるかもしれません。塀の種類をご案内しましょう。

塀にはどんな種類があるのでしょう?

「塀」は境界線を示すもので、侵入を防ぐ・視界を妨げる、時には防火・防災の役割もあります。
土や木、コンクリート等の素材や、工法によっても、種類分けされています。

塀には多くの種類がありますが、まずは、歴史ある塀、日本伝統の種類から見て行きましょう。

伝統的な種類 ~土塀

メイン素材が土の塀全般を「土塀」と言います。
土を泥団子状にしてを積んだ塀を特に「土塀」、型枠に流し込んで作る工法を「築地(ついじ)塀」と呼ぶ事もあります。
素材の違いでは、泥と瓦を交互に重ねたり石を入れたりする「練塀」があります。

日本三大土塀

西宮神社 大練塀 

現存する、日本最古(室町時代)の築地塀と言われています。上塗りが落ちて地層のような模様が見えていますが、これも味わいがありますね。

西宮神社は、「福男」を決める走り比べで有名です。

熱田神宮 信長塀

整然と重なった瓦の線が、頑丈さを誇示しているようです。
織田信長が寄進したことから、この種類の塀を「信長塀」と呼ぶようになりました。

三十三間堂 太閤塀

桃山時代になって豊臣秀吉が造営した築地塀で、白線の数が格を表しています。
最高の5本線なのは、天皇ゆかりの三十三間堂を囲っているからです。

その他の土塀

有田 トンバイ塀

登り窯で使われた耐火レンガ(トンバイ)の色合いが独特の塀で、技術を守るため高く作られていたそうです。
廃材を利用する種類の練塀になります。

金沢城 なまこ塀

土塀に瓦を貼って4辺を盛り上げます。ひし形に並べるのがお馴染みですが、この塀は狭間(攻撃用の穴)をカモフラージュしています。

伝統的な種類 ~和風の塀

板塀

木製の塀にも種類がありますが、焼き杉と焼き竹で作られた黒い板塀です。
炭化させることで、対候性や耐久性が上がります。

大和塀(板塀)

板張りの張り方の種類はいくつかありますが、大和張り(板を一枚おきにずらしてデコボコに張る)が多いでしょうか。
隙間ができるので、目隠し効果が大きい割りに風通しが良くなります。

杉皮塀

杉の樹皮を使った塀は、丈夫ですし自然の木の風合いが楽しめます。
桧皮と共に、かつては屋根材としてよく使われていた素材です。

桂離宮 桂塀

生きている竹を織り込んで作る塀なので、種類としては生垣に近いでしょうか。
自然を活かした、独特な作り方ですね。

竹は主に垣に使いますが、枯らしたり焼いたり、組む・編み込む・穂先を使うなど色々な種類があります。
こちらは、割った青竹を並べた竹塀です。青竹の色が清々しいですね。

沖縄の荒い石垣の塀には、風を通し、台風等の強い風を和らげる効果があるそうです。
暑い地域ならではの工夫ですね。

現代的な塀

洋風の塀

白い木塀

木製の塀で洋風の場合は、白やパステルカラーで塗装することが多いでしょうか。
やはり白が、鮮やかな花に良く映えます。

石塀

ヨーロッパにはごつごつした石が多く、そのままの雰囲気で積んだ石塀が多いそうです。
自然を活かすガーデニングにも良く合っていますね。

コンクリートブロック

費用面でも手軽で一般的なのが、コンクリートブロックでしょう。
透かしブロックにも色々な種類があったり、形や表面加工の新しい種類が出たりしています。

透かしブロックにも種類がありますが、穴あきブロックだけの塀もユニークです。
遮光性も目隠し効果も十分ありますし、風通しも良さそうですね。

御影石を表面に貼り付けたブロックで、高級感の漂う塀になりました。
色合いも明るいので、和風にもモダンにも使えそうです。

ライン模様の入ったカラーブロックに、岩調のブロックを組み合わせてあります。
ブロックを積む段数を減らして、金属フェンスを付ける塀が多くなってきました。

金属フェンス

錆が出ないので手入れが楽なアルミフェンスも、色々な種類が出ています。
これは目隠し効果が大きいタイプですが、ルーパーになっているので通気性も十分です。

樹脂タイプ

樹脂製の人工竹で作られた、竹塀です。
手入れや作り替えの必要がないので、気軽に和風の雰囲気を味わえます。

木の粉入りで木に近い見た目と感触の、樹脂製の塀で、上部に透明パネルが入れてあります。
1~2年に1度は必要な塗替えも省けて助かりますね。

塀もDIY

カメの泳ぐ板塀

暗くなりがちな背の高い板塀に、大小のカメが泳いでいるのがユニークですね。
これなら世話もいらないので、庭まで手の回らない人でも大丈夫でしょう。

これも木粉入りの樹脂製塀ですが、ラティス形なので手軽に扱えます。
組み合わせも自由なので、気になる部分の目隠しパーツも統一できますよ。

不揃いな板を並べて横木に打ち付けただけの塀でも、色を塗って統一感を出せます。
白が、グリーンや花の色を鮮やかに見せてくれますね。

どの塀がお好みですか?

歴史的遺産から樹脂製の塀まで、色々な種類をご紹介してきましたがいかがでしたか?
ご近所の散歩や旅先で、新旧様々な様式の塀を見つけることができると思います。ちょっと知識が増えたので、鑑賞の楽しさも少し増えているでしょう。
また、ご自宅の庭に塀を作る時の参考にしてくださいね。

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