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    簡単説明!電子レンジの原理。原理を知って実験してみよう。

    電子レンジが物を温める原理をあなたは知っていますか?なんだか難しそうな感じがしますが、実はとっても簡単です。説明文にはマイクロ波だのマグネトロンという部品が出てきますが、覚えておけば賢い感じに見えます。では、電子レンジの原理を説明していきます。

    電子レンジの歴史

    電子レンジの原理(物にある波をあてると暖かくなる)というのは、
    レーダーの研究の副産物だったのです。

    電子レンジは1945年ごろ米国のレイセオン社(Raytheon Corporation)のパーシー・スペンサ(Percy Spencer)によるレーダー研究の副産物として発明されました

    出典:http://www.geocities.jp

    しかし、その当時原理はわかっているものの、
    電子レンジを小型化することがかなわず、
    商品が利益を出すことはできなかったそうです。

    1947年にはレイセオン社はいくつかの電子レンジに関する特許(最初の電子レンジ特許)を申請し、最初の電子レンジ(商品名Radarange)が発売されましたが、売り上げは芳しいものではありませんでした。それは、高価(2000~3000ドル、現在の価格で約20000ドル)な上に、大型(重量600pounds,high62inches,2feetdeep and wide)で水冷式であったことから配管工事も必要であったことです。

    出典:http://www.geocities.jp

    その頃、日本でも電子レンジの研究はされていました。
    そして1958年にとうとう電子レンジの小型化が成功したのです。

    日本の電子レンジ開発
    1958年に日本の新日本無線㈱が加熱用小型で安価なマグネトロン(2.45GHz)が作られ、後に家庭用小型電子レンジ用のマグネトロンが作られます。
    1961年に日本でも電子レンジが開発され、翌年に業務用電子レンジの生産を開始しました。

    出典:http://www.geocities.jp

    昭和51年の電子レンジ

    平成26年頃の電子レンジ

    こうして、現代の電子レンジになっていったというわけです。

    電子レンジの原理は分かっていても、小さくするのがどれだけ難しかったのか。
    科学者、研究者ではない私にはわからないことですが、
    とてつもない苦労があったんでしょう。

    電子レンジの原理 最も大事なパーツその名も「マグネトロン」

    電子レンジの心臓 マグネトロン

    このパーツが出すマイクロ波が水分子を振動させ、
    電子レンジの中に入れたものを温めます。

    電子レンジはマイクロ波を食材に照射することで温める。電子レンジの内部には、マグネトロンという装置があり、ここからマイクロ波を発生させている。

    出典:http://www.su-gomori.com

    このマグネトロンが電子レンジの心臓部分です。
    電子レンジの原理において最も重要なこのパーツの小型化が昔大変だったわけです。

    電子レンジの原理 科学編

    ここから電子レンジの原理について難しい話になります。
    周波数が何Hzだとかという説明は省きます。
    説明されてもわかりませんでした。

    ではまず、マイクロ波とはどういう性質なのかという説明になります。

    マイクロ波は、空気やガラス、紙などを通り抜け、金属には反射され、水に吸収されるという性質があります。レンジの中には小さな穴がたくさん見えます。このなかにある「マグトロン」という真空管がマイクロ波を発生させ、食品に発射されるのです。

    出典:http://www.t-scitech.net

    マイクロ波が食べ物に当たります。しかし、
    重要なのは当たっているのは食べ物全体ではなく、
    上にあるように、水に吸収される。つまり
    食べ物に含まれる水に当たっているということです。

    なぜマイクロ波が温めるのか。それは、マイクロ波が2450MHzという水分子と共鳴しやすい周波数に設定されているため、水分子同士が動き回り、摩擦熱を起こすからだ。

    出典:http://www.su-gomori.com

    つまり、マイクロ波によって食べ物の中にある水(分子)が振動する。
    その振動によって摩擦熱が起こる。その摩擦熱で食べ物が温まる。
    という原理なわけです。

    電子レンジの原理において重要な摩擦熱とは、

    摩擦によって発生する熱。 正確には相対的に運動している物質間にはたらく動摩擦により、運動エネルギーの一部が失われ、熱として散逸する。

    出典:https://kotobank.jp

    上の説明は少し難しいかもしれません。
    つまり、寒いとき体が震えて、体をこすったりして暖をとりませんか?
    そのこすった部分が少しだけですが熱をもつのです。これが摩擦熱です。

    流れ星が光る原理も、この摩擦熱によるものです。
    隕石が大気圏に突入し、空気とも摩擦で発火します。
    それが燃えている間が流れ星になるのです。

    電子レンジの内部にも工夫がある。壁はマイクロ波を反射する素材が用いられていて、照射したマイクロ波が食材に当たるようになっている。

    出典:http://www.su-gomori.com

    上記であったように、マイクロ波は金属に反射するという性質がありますので、
    電子レンジの内壁は金属でおおわれています。

    照射するマイクロ波にはムラがあり、均等ではないので、それを補うために内部に回転式のターンテーブルが用意されているのだ。

    出典:http://www.su-gomori.com

    つまり、原理的に食べ物をムラなく均等に温めたい場合、回転皿の真ん中のほうではなく、
    端のほうにおいて温めると、均等に暖かくなります。

    電子レンジの原理 実験編

    電子レンジの原理を使ってわかりやすく実験してみましょう。
    まず、原理的に電子レンジは水分を温めているということがわかる実験から。

    濡れたタオルと乾いたタオルそして電子レンジ

    【実験方法】濡れたタオルと乾いたタオルを一緒にレンジに入れて一分ほどチンします

    出典:http://www.t-scitech.net

    この実験の結果、
    濡れたタオルは熱くなっているのに対して、
    乾いたタオルは熱くなっていないのが確認できるはずです。
    これが、マイクロ波が水(分子)を温めるという原理の証明実験になります。

    電子レンジと蛍光灯

    続いて、電磁波が放出されていることを確かめる実験をしてみましょう。

    実験方法】蛍光灯を電子レンジの中に入れてチンします(空焚きは危ないので水を入れ
    たコップを一緒に入れてください)

    出典:http://www.t-scitech.net

    実験の結果はどうでしたか?
    蛍光灯は電磁波によって光るという原理なので
    かなり強く光ったと思います。

    蛍光灯は電極と電極の間の蛍光ガスがVHF帯の高周波(電磁波)で発光す
    る仕組みです。

    出典:http://www.t-scitech.net

    最後にちょっとした遊びのような実験をしてみましょう。
    これは、水を温める原理と水が蒸発により膨張する原理を使用します。

    小さくなった石鹸と電子レンジ

    【実験方法】小さい石鹸を何個か集めサランラップに包みます。あとは1分チンするだけ

    出典:http://www.t-scitech.net

    どうでしたか?
    せっけんがもこもこと膨らんだかと思われます。
    これは、せっけんに含まれる水が蒸発し、固体である部分を膨らましたからなのです。
    出来上がったせっけんを型などに押し込むと、お手軽にオリジナルの形のせっけんが作れます。
    お子様と一緒に試してみてはいかがですか?

    せっけんが膨らむ原理を理解すると分かるはずです。

    せっけんが膨らむ原理は、水(分子)を温めることと沸騰した水が膨張するということです。
    この原理を卵に当てはめるとどうなりますか?

    そうです。
    卵の中の水分が膨張します。
    そして硬い殻に覆われていますが、
    その殻を押し破り爆発するのです。
    本気で危険ですので、やらないようにしてください。

    原理を知ればちょっと物知りになれる

    原理を知ってどうでしたか?
    マイクロ波の周波数だとか、水分子の周波数などを省き、
    できるだけわかりやすく説明したつもりなのです。
    原理の説明だけではわかりにくいかもしれませんが、
    実験の方は、原理を子供たちに伝える手段としてお使いください。
    そして、子供たちだけで実験はさせないでください。
    以上、
    電子レンジの原理と簡単な実験でした。

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