テーブルを豪華に彩る【テーブルナプキン】マナーや折り方をご紹介♪
2015/12/26
ayax
2016/06/02 更新
テーブルナプキンは洋式の正餐会や洋食レストランには欠かせないもので、使い方にもいくつか決まりがあります。習慣で決まった使い方もあるので、中にはわかりづらいものも……。ですが使い方の意味がわかればこっちのもの☆テーブルナプキンをかっこよく使いこなしましょう!
[表示する]
レストランで本式のコースをいただくとき、慣れないとやっぱり少し緊張してしまいますね。ナイフやフォークなどの使い方は知っている方が多いですが、ナプキンの使い方となると意外にわかっていないものです。むずかしいことはありません。簡単なコツだけ覚えておきましょう。
ナプキンは口や手の汚れを拭きとって、食事中に衣服を汚さないようにするための、いわばティッシュ代わりの使い方をされています。ですから、どんなにきれいなナプキンでも汚しちゃってかまわないです。ただ、口紅がつくと洗濯しても落ちにくいので、あまりごしごし拭かないほうがお店に親切です。
はっきりした決まりはありません。ただ常識として、注文する前に膝に置くのは早すぎます。あまりにも食べたがっているように見えます。また、料理が出てから膝に載せるのは遅すぎです。今度は反対に、あまり食べたくないように見えてしまいます。
タイミングとしては、最初の注文をすませた後がいいようです。また、先輩がナプキンを取った後に自分も取る、というのも奥ゆかしくていいですね。
テーブルナプキンは横半分に折って、折り目を自分のほうに向けて膝にのせる、というのが一般的な使い方。他にも対角線で折って三角形にしてもいいし、広げたままで膝にかけてもマナー違反ではありません。
首にはさんで前に垂らす、というテーブルナプキンの使い方はよくないそうです。ただ、和服のように汚れたら困る服装の場合はかまいません。
テーブルナプキンの使い方は、片手で角を持ってテーブルナプキンの裏側を口に当て、拭きおわったら汚れた面を内側にして、膝に戻します。そうすれば汚れが周りから見えず、さわやかです。
途中で席を外すとき、椅子の上にテーブルナプキンを置いていくという使い方をすると、戻ってきますという合図になります。あまりきちんと折らず、無造作に置いていったほうがいいですが、できれば汚れは見えないように内側へ隠してください。
食べ終わったら、テーブルナプキンはテーブルの上にくしゃっと置くのが正しい使い方です。気を使ってきちんとたたむと、料理があまりおいしくなかったと思われてしまって、逆効果。そのときの置き場所は、デザート皿の右横にどうぞ。
食事の最中、挨拶などで立ち上がることがありますよね。そういうとき、テーブルナプキンは決してテーブルの上に置かないでください。汚れたナプキンが卓上にあるのは他のお客様に失礼ですので、さりげなく左手で持って立ちましょう。そして邪魔になったら椅子の上に置いてください。
では、うっかりテーブルナプキンを落としてしまったら? ウェイターさんを呼んで拾ってもらいましょう、とよく言われますが、普通の食事会ではそこまでしなくても、自分で拾ってだいじょうぶ。
目立たないように腰を落とし、手だけ伸ばしてさりげなく拾っちゃってください。ただし、かがみこんで覗くのはだめです。向かいの席の女性が短いスカート姿かもしれないので。
AHNdante #161 アン流キレイ術「意外に知らないテーブルマナー」
テーブルマナー全般を説明しています。テーブルナプキンの使い方も、理由と一緒に説明してくれていて、わかりやすいです。
このようなテーブルナプキンの使い方が生まれたのには、歴史に原因がありまして、それがわかれば理解しやすいし覚えやすいということで、テーブルナプキンが生まれたきっかけと使い方の理由をご説明します。
古代ローマ時代、ローマの人たちはゆったり寝そべって、食べ物は手でつかんで食べていました。食べ終わった後は給仕が来て、主人たちの食べ残しを下げ、テーブルを片付け、それから水おけを持ってきて、主人に手を洗わせました。
そのあと、布切れで手を拭いていたのです。布のことを、古代ローマではマッパ(mappa)といいました。こういう使い方をした布が、ナプキンの前身といわれています。
9世紀ごろからフランスとイギリスでテーブルクロスを使い始めました。その使い方が、ちょっと驚きです。食事は手づかみのままで、1つ料理を食べるごとに手を洗っては、テーブルクロスのすそで拭いていたのです。当時フランスではテーブルクロスをナップ(nappe)と呼び、やがてイギリスでもナップ(nap)といわれるようになりました。
1467年、イギリスで小さな布切れを手拭きとして使いはじめ、この布を『小さなナップ』(napekyn)と呼びました。たぶん食事をするたびに大きなナップ、つまりテーブルクロスを洗うのがいやになったのでしょう。このちびナップ(ナプキン)は、テーブルクロスの上に置くか膝にかけるという使い方で、食卓ふきんの代わりにもなりました。大きさは50cm~100cm四方ぐらいでした。
1533年に、イタリアのカトリーヌ・ド・メディチがフランスのアンリ2世のもとへ嫁入りしてきました。このときイタリアからフォークを持ってきたのです。これで初めて、フランス宮廷は手づかみで食べるのをやめ、フォークとスプーンの使い方を学んで、テーブルクロスやナプキンも飾りに近いものになっていきました。
ということで、テーブルナプキンはもともと雑巾の一種という使い方をしていたわけです。だから食事が終るまで食卓にのせてはいけないし、最後に食べ終わったしるしとして卓上に置くときはクシャッとさせて、もうすべては汚れ物だというシンボルにします。
それでもテーブルマナーができあがった今では、ナプキンはなかなかきれいなものですし、刺繍やお店のロゴが入っていたりします。そういう部分では口を拭かないようにしましょう。
小汚い雑巾から食卓をにぎわす飾りに出世したテーブルナプキンは、最近いろいろな形に折って出されるようになり、使い方も華やかさを増しています。
そんな飾り折りのいくつかを、ご紹介しましょう。
テーブルナプキン折り方 vol.2 来客用レストランのような折り方 Napkin Folding: Like a restaurant
簡単で効果的なテーブルナプキンの折り方です。場所も取らないし、おうちパーティーのときなどにささっと折って飾ったらすてきです。
Napkin Folding-The Crown
これはよく見かける基本的な飾り折りです。王冠という名前がついているんですね。この形のテーブルナプキンを見かけると、ああレストランに来たな、という実感がわきます。
Napkin Folding-Fancy Fan
これもよく見る華やかなテーブルナプキンの折り方ですね。おしゃれな扇という名前でしたか。見かけより簡単にできるのがいいですね。
How to Fold a Cloth Napkin into a Rose in 72 Seconds
これはすばやい! 30cmぐらいのテーブルナプキンを使って、かわいらしいバラの花の形にパッと仕上げています。ただ、あまりにかわいらしくてテーブルナプキンだと気づかない人がいるんじゃないかと心配です~。
Napkin Folding-Fancy Pouch
最近ときどき見かける、カトラリーを入れられる実用的なテーブルナプキンの折り方です。食卓だけでなく、ピクニックなどに出かけるときにも役に立つ、こういう使い方がナプキンの未来の姿になるのかも。
How to Fold a Napkin into a Leaf
テーブルナプキンを細かく折って秋の葉のイメージを作り出しています。見た目より簡単にできて効果的。飾りという使い方にふさわしいですね。分厚いテーブルナプキンだとちょっと形がつかないかもしれませんが。
いかがでしたか? なぜテーブルナプキンの使い方で、膝においてテーブルに上げてはいけないのか、というと、もとは雑巾で汚いものだったからなんですね。西洋では昔はお皿もなくて、食卓全体が食器と考えられていました。だからテーブルナプキンを上に置くのは、さあ食べ終わった、汚れ物だから一緒に片付けろ、という合図だったのです。だからちょっと気の毒ですが、今でもボロ切れだと思って使い方を考えてください。そして楽しくのびのびと、おいしい料理を楽しみましょう♪
この記事に関する記事
キーワードから記事を探す
Copyright© 運営事務局