2019/12/04
necopooo
お庭がなくてもキッチンやリビングで簡単に野菜を自作してみませんか?水耕栽培なら土を使わないのでお部屋を汚すこともありません。自分で作った野菜はいつもよりおいしく感じられます。水耕栽培を自作で行う方法やプチプライスにするアイデアをまとめました。
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自宅で簡単に植物を育てられる水耕栽培を始めてみませんか?
ベビーリーフやバジル、人気のパクチーやフレッシュなトマトなど、食卓を彩るおいしくてキレイな野菜を手間いらずで育てることができます。
水耕栽培のやり方から必要な道具の作り方まで、たっぷりと解説します。
水耕栽培の鉢を自作すれば、おうちで簡単に種から植物を育てることができます。まずは材料を見てみましょう。
・ 台所用スポンジまたは培土
・ カッター
・ ハサミ
・ ピンセットまたは毛抜き
・ トイレットペーパー
・ 水耕栽培用液肥
自作水耕栽培用の容器には、普通の発泡スチロールトレイやイチゴのパック、タッパ-やプラスチックコップに食器の洗いカゴ、ペットボトルなど様々なものを使うことができます。
育てる植物のサイズに合わせて用意してください。
小型の水耕栽培鉢なら、100均ショップで購入できる水切りカゴが安くて手軽なのでお役に立ちます。写真の例なら水切りカゴと受け皿、整理用の仕切り板を二枚ほど。どれも100均ショップで手に入るものです。
まずは水切りカゴの内側に整理用の仕切り板をセットして、育苗ポットのようにスペースを細かく分けて置きます。
自作の水耕栽培に使うためのスポンジには、一般の台所用スポンジでも充分に活用できます。培土としてはポリウレタン製のものが使いやすいですね。
ただし、よくある激落ちくんなどのような研磨剤入りのスポンジは、水分を含んだ状態で手で押すと反発せずに潰れてしまい、植えた種も空気に触れない状態になりやすいので使えません。
根が酸欠になると腐ったり短くなったりしてしまうので、自作水耕栽培には普通のスポンジを使いましょう。
スポンジではなく培土で自作水耕栽培をする場合は、こちらも100均ショップで売られているお茶用フィルターが役立ちます。
このお茶用フィルターにパーライトやハイドロカルチャーを袋の2/3くらいまで入れておきましょう。これを自作水耕栽培鉢に配置する分だけ作成すれば培土の完成です。
自作水耕栽培では植物に与えられる光と養分が重要になってきます。光は室内ならLEDライトで代用できますが、ベランダなどに出して育てるなら日光で大丈夫です。
発芽するまでは水道水で充分ですが、その後はハイポニカ溶液を与えてあげましょう。発芽を待っている間に溶液を作ります。
2Lの水に対し、ハイポニカA溶液4ml、B溶液4mlの割合で混ぜれば完成です。ハイポニカ溶液の軽量には100均ショップで売られているスポイトを使うと便利です。
種を植えたら、あとは発芽を待ちます。この段階でハイポニカを与える人もいますが、発芽までは溶液をあげても成長に大した差はないので水道水で大丈夫です。
種が土の中にいるのと同じ状態なので日光も必要なく、スポンジの水分と空気だけで発芽します。受け皿を水道水で満たしておけば数日放置してしまっても構いません。
続いては、さらに詳しく水耕栽培のやり方をご紹介いたします。
近頃人気の出ているハーブ「パクチー」は、育て方が簡単なので種から始める水耕栽培にも向いています。
露地栽培ですとパクチーは時期的な問題で育てるのが難しくなってしまいますが、自作の水耕栽培でなら季節を問わずにいつでも種から育てることができるのが嬉しいところですよね。
まずはスポンジにパクチーの種を植えて発芽を待ちましょう。双葉が開いたら希釈したハイポニカ溶液を加えて水を与えます。水さえ切らさなければどんどん育ってくれます。
パクチーがある程度まで大きくなってきたら、スポンジからハイドロボールなどの培土に変えてみるのもいいですね。
お茶用フィルターとハイドロボールで育てているパクチー。水耕栽培の道具はすべて100均ショップで揃えられるのでとってもお得です。
パクチーは購入しようとすると少量でも結構お高かったりしますよね。自作水耕栽培で育てれば遠慮なくもりもり食べることができます。安くおいしくいただきましょう。
屋内でもLEDライトを使ってたくさんの光と栄養を与えて栽培すれば、こんなにも立派なパクチーに育ってくれます。アパートやマンションで日照条件などがそろわない場合は、LEDライトを使って育ててみてください。
自分で種から育てた野菜は愛着もわいて、いつも以上においしく感じられます。
同じ種類の植物を手軽に増やす方法のひとつとして「挿し芽」があります。植物の一部を摘み取って発根させ、増やしていきます。
球根植物以外の、種まきでは増やしにくい草花や樹木、ハーブでよく行われ、水耕栽培ならトマトなどが向いています。
挿し芽に必要な道具といったものは特にありませんが、適した時期はあります。4月中旬~10月くらいまで、植物がもっとも生長する生育期の少し前頃です。
適切な時期に行うことで挿し芽したあとに発根しやすく、脇芽を切られた植物の方でも回復が早くなります。
写真の真ん中にあるのがトマトの脇芽です。こういった脇芽を摘んで発根させます。
摘み取った脇芽はコップに入れて、シャキッと元気が出てくるまでは屋内の日陰に置いてあげましょう。だいたい一晩ほど水に浸けておけば元気を取り戻してくれます。
ある程度元気が出たら、太陽の光が当たる場所へ移動しましょう。ただし葉が萎れてしまうほどの強い陽射しに当ててはいけません。室内の窓際、レースのカーテン越しなどが適切です。
切り口が腐らないように、毎日きちんと水を取り替えてください。お部屋の気温やその他の環境状態にもよりますが、およそ1週間ほど経てば少しずつ根っこが出てきます。
根っこが出たらスポンジに切れ込みを入れ、水耕栽培で同じように育ててあげましょう。
暑く晴れた日にいきなり移植すると萎れてしまうこともあるので、できれば夕方に移植して、昼間に萎れるようであれば遮蔽物で日陰を作ります。少しずつ日照に慣らしてください。
一旦は本体から切り離してしまうので、挿し芽をうまく発芽させるのにはコツがいります。根が出るまでは頻繁に様子を見て、発根したあとも大きく成長させるための設備を用意しましょう。
植物を大きく立派に育てるためには、やはりポンプがあった方が便利です。本格的なものを用意するとなると高価なので、なるべくお安く済ませたいのが本音…。
実はポンプの機械そのものは100均ショップでも入手することが可能です。機材をうまく組み合わせてばポンプを自作することもできます。
ホームセンターで見かける道具箱に発泡スチロールとポンプを入れて、植物の根をはらせるためのトレイを乗せ、フタに穴をあけて水耕栽培キットが完成。
ポンプで水が循環するようになれば、水中に含まれる栄養分と空気がしっかり全体に行き渡るようになります。
種類豊富なハーブの中でも食卓に使いやすく身近なのが「バジル」です。こちらを挿し芽から水耕栽培で育ててみませんか?
なんとスーパーで売られているバジルからでも育てることができるんです。なるべくしっかりしている元気な枝を選び、葉は切り取ります。下の節部分の葉を根元から切っておくと、そこから新芽が出てきます。
注意点として、葉っぱは濡らさずに茎の下部だけを水に浸すようにしましょう。あとは普通に水耕栽培でバジルが育っていきます。
水を張るのはコップでも構いませんが、茎を水中で浮かせておかなければうまく水を吸い上げられず、茎がとろけてしまうことがあります。
水耕栽培鉢の形状に工夫しましょう。
成長してからの育て方は、ほかの水耕栽培のやり方と同じです。
屋内で水耕栽培を行う場合はLEDライトを使いましょう。光が当たった側だけどんどんバジルの葉っぱが成長しているのが分かりますね。
バジルは病気にも強く、夏の生育期には水耕栽培でもハイポニカ溶液に浸けておくだけで、みるみるうちに成長してくれます。
挿し芽から水耕栽培で育てるバジルを添えて、より豊かで鮮やかな食卓を楽しんでみませんか?
水耕栽培に使われる培養土に肥料分は含まれていません。自然の土とは違い、土中の微生物が肥料を分解して養分を作らないからです。
このため、後から与える液体肥料がすべて植物の養分となります。培養土から根を媒介として養分が行き渡り野菜の苗を成長させてくれるので、土の保水力・保肥力が重要になってきます。
ハイドロボール
水耕栽培用の培土は100均ショップでも購入できます。写真は水切りザルに100均ショップのハイドロボールを敷き詰めておいたものです。
安い分だけもちろんデメリットもありますが、1回使ってあとは捨ててしまうのなら100均ショップで売られているハイドロボールでも充分に水耕栽培が可能になります。
ヤシの繊維土
同じく100均ショップで販売されているものでしたら、ヤシの繊維土も自作水耕栽培に培土として利用することができます。
水に浸して繊維土をふやかしたら、水切りカゴの底に不織布を敷いて土を入れます。土がひたひたになるまで水を入れて種を蒔き、発芽して双葉が開いたら水道水からハイポニカ溶液に変えましょう。
その後は通常の水耕栽培と同じように育てることができます。
100均ショップのハイドロボールには、お安い分だけデメリットもあります。
ハイドロボールですと簡単に砕けてしまい、買ったときに出る大量の粉末や溶液によって溶け出した赤土のような汚れでベランダが汚れてしまいます。
ホームセンターに行けば水耕栽培用のハイドロカルチャーも500円くらいで購入できるので、リサイクルしながら長く使う場合はこちらを利用することをおすすめします。
ハイドロカルチャー
ハイドロボールと似たようなまるい玉状の素材で、明るいオレンジ色のものがハイドロカルチャーです。ハイドロボールよりも少し固めですが、性質はほぼ同じです。
植物の根はハイドロカルチャーの隙間を縫うように伸びていくので、小粒のものを選んだ方が根っこがしっかり液体肥料に触れ、よく成長してくれます。
バーミキュライト
こちらも100均ショップで購入できる、粒の粗い粉状の素材です。軽くて扱いやすい無害な素材ですが、袋から出すときに粉末が飛散してしまうため、気になる人はマスクをつけて取り扱ってください。
また、バーミキュライトは産地によって微量のアスベストを含むことがあり、100均ショップで購入する際には注意が必要です。
パーライト
名前から分かるように、真珠石を細かく砕いて高温処理したものがパーライトです。非常に軽く、通気性・排水性も高いのが特徴です。
パーライトの美点はその白さで光を反射し、葉の成長を促してくれるところです。しかし粒子が角ばっているため植物の根を傷つけやすく、保水力もいまひとつ。
どの土にも違った特徴があるので、育てる植物や水耕栽培鉢の形状に合わせた土を選ぶことが重要になってきます。
プランターや畑で育てるときも同じなのですが、水耕栽培で野菜を育てるときは種を蒔きすぎないように注意してください。
葉物野菜は安くて種の量が多いのが嬉しいのですが、いっぱいあるからとつい大量に種を植えるとあとが大変になります。ほぼ90%発芽するので、苔でも生えるように密集して大量に発芽してしまうんです。
多すぎると栄養が足りずに大きく成長してくれないので、セルひとつにつき2~3株になるよう間引いておきましょう。
土を用意したり道具を自作したり、環境を整えるのが難しいと感じる人は、水耕栽培キットを使ってみてはいかがでしょうか?
少しお値段は張りますが、自宅で本格的な水耕栽培を楽しむことができます。なにより、キットならその器具に合わせた手順が丁寧に説明されているため、失敗することがほぼありません。
ミニ水耕菜園キットS
¥2,670(税込)
はじめて水耕栽培にチャレンジする人にも安心の入門的なキットをご紹介します。こちらには7種のベビーリーフがミックスされたベビーリーフミックスとルッコラの二種類の種子が付属しています。
内容物はこんな感じで、自宅での水耕栽培に必要な道具が揃っています。栄養剤も付属しているので自分でハイポニカ溶液を混ぜる必要はありません。
土がいらないので、キッチンやリビングでお野菜を育てたいときにもぴったりですね。
小型水耕栽培器 ココベジi (LED付)
¥19,000(税込)
LEDライトが付属すると一気にお値段が上がってしまいますが、その分だけ室内でも育てるのが簡単になります。一鉢で四株育てられるので、もとをとるまでは結構すぐかもしれませんね。
LED付属の水耕栽培キット、内容物はこちらです。種はリーフレタス、マザーグリーンの種子が約50粒ほど入っています。
月間のコストは、電気代が約130円、液体肥料は約100円程度なので、計230円くらいになります。水耕栽培にいくらか慣れてきて、これからも続けていく気持ちになったら検討してみましょう。
LEDは別売りのものを使うこともできますし、日中はベランダに出して太陽光を浴びせることもできます。
これから初めて水耕栽培にチャレンジする初心者さんは、まずお手頃な価格のキットから使ってみることをおすすめします。
慣れてくるともっと設備がほしくなり、そのうちきっと自分でも水耕栽培鉢を作ってみたくなってきますよ♪
吸水性と保水性に優れたスポンジは培土に代わって水耕栽培に利用することができます。まずは台所用のスポンジなどを正方形にカットしましょう。
この正方形のスポンジに、植物の根が貫通できるように切り込みを入れておきます。培土用として市販されているスポンジにはH型の切り込みが入っていることが多いです。
このスポンジを水道水に浸しておきます。
スポンジを水に浸したら、手で押して中の空気を抜きましょう。これで完全にスポンジ内部が水分だけになります。切り口が上になるようにして、先ほどの水切りカゴにセットすれば、自作水耕栽培鉢の完成です。
この段階ではまだ水切りカゴにも受け皿にも水が入っておらず、種を植えればスポンジに含まれている水分だけ発芽します。
種植えはピンセットを使って、スポンジの切り込み中央に一粒ずつ置いていきます。ひとつの切り込みに3粒くらいセットするのが目安です。
上からトイレットペーパーを被せておくと保湿効果が高まり、種がスポンジに密着して水に浮いたりズレたりしない効果もあります。
ティッシュペーパーを使うと、水に溶けにくいため発芽した際に紙を突き破ることができず、植物が腐ってしまうのでご注意を。被せるなら水溶性のトイレットペーパーを使うようにしましょう。
スポンジを使った水耕栽培は、お手軽でキッチンを汚さないのが嬉しいところ。ただし自然の土ほどの保水力や保肥力は期待できないので、乾燥と栄養不足にはくれぐれも注意してください。
種や苗を植えつけたあとには、水切れや肥料切れを起こさないようにハイポニカを希釈した水を与え、培地の表面は常に湿っている状態で管理しましょう。
溶液入りの水は植物の上からかけるのではなく、スポンジに含ませるように容器の下に入れてください。
スポンジを培土の代わりとして種を植えるほかに、野菜の苗木を包む素材としてもスポンジが利用できます。やわらかいスポンジは苗木の茎を傷つけず、圧縮性能も高いため苗の固定に最適。
カットして成形したスポンジを野菜の茎に巻きつけて、落下しないように固定しておけば、苗木からも野菜を育てることができます。
写真のような土台があれば、スポンジを苗に巻いて差し込むだけで、野菜の苗を傷つけることなく中に浮かせることができます。
ペットボトルを使った水耕栽培などにも役立つので、是非スポンジを活用してみてくださいね。
トマトを水耕栽培するときには、苗から買ってくるのがおすすめです。元気な苗を購入すれば発芽までの時間を省くことができます。
ここからは少し上級者向けの、トマトの水耕栽培についてご紹介します。自作水耕栽培の基本に慣れてきたらチャレンジしてみてください。
実が大きくなるほど水耕栽培は難しく、一般家庭ではうまく育てるのが難しくなります。なので今回は、ミニトマトの育て方からはじめてみましょう。
ミニトマトの水耕栽培はスポンジかペットボトルなどで行えます。スポンジなら、2~3粒の種を上からうっすら見える程度の深さに植えましょう。発芽するまではラップなどでフタをします。
発芽したらフタを外して、日当たりのよい場所に移動してください。本葉が2〜3枚になったら弱い芽は間引きします。さらに本葉が4〜5枚に育ったら、自作水耕栽培鉢に植え替えてください。
水耕栽培鉢ではミニトマトの根が1/2~1/3ほど水に浸かるようにしてください。根元まで水が接していると、トマトは呼吸できなくなり枯れてしまいます。
夏場に水温が上がりすぎたとき、根元が培養液に近すぎると湿気で病気になってしまうこともあります。
肥料は他と同じように、ハイポニカやハイポネックスなどの溶液を希釈して容器に入れてください。
ミニトマトは脇芽を摘み取って挿し芽をしても育てることができます。水と栄養を切らさないように注意して、たくさんの日光を浴びせてあげましょう。
とても立派でかわいらしい実がなりました。鮮やかな赤い色が食欲をそそります。
水耕栽培は土が要らず室内で植物を育てても汚れないため、普段はガーデニングをしない人でもトマトなどの野菜を作って楽しめるのが魅力ですね。
かなり大掛かりな道具と一畳ほどのスペースが必要になりますが、こんな風に「トマトの木」を作ってしまう猛者も。水耕栽培というよりは、もはや立派なインテリアのようですね。トマトの赤が鮮やかでキレイです。
充分に養分を行き渡らせるためには大容量の養液入れと、たくさんの実を支えておける支柱、水の中に空気を送り込むポンプなどが必要になります。
気軽にチャレンジできるものではありませんが、おうちで作るトマトの木にはちょっと憧れます。
ベランダやお庭に出さず、屋内のみで水耕栽培を行いたいなら水槽を利用するのがおすすめです。
熱帯魚用の水槽などLEDライトもついているものが多いですし、外に出さなければ害虫被害を防げるという利点もあります。
水槽の中で水耕栽培で元気に育ったルッコラ。LEDライトや蛍光灯で充分な光を浴びせて育てれば、室内だけでも立派に育てることができます。
育てる植物の種類にもよりますが、日中の明るい室内程度では生育が遅くなってしまいがちです。窓辺に置いて日光をあてるか、蛍光灯などでなるべく長時間、光を当ててあげましょう。
ライトだけではなくエアポンプなど水耕栽培にあると便利な道具を揃えやすいのも、水槽のいいところですよね。
そして、ペットボトルやスポンジを使った水耕栽培よりもうれしい何よりの魅力は「インテリアに馴染む」というところではないでしょうか。
水槽での水耕栽培はなんだか本格的で見た目もカッコイイのが特徴です。
水耕栽培といっしょに魚も育てるアクアポニックス(魚耕栽培)という方法もあります。海外なら手軽なキットもあるのですが、残念ながら日本ではまだ浸透していません。
ここまでいくと専用の設備が必要で自作するのは難しいです。でも、植物×魚がいっしょに育っている光景は眺めているだけでも癒されますよね。
水耕栽培といえば葉物のイメージが強く、あとはせいぜいフルーツくらいしか思い浮かばない人も多いのではないでしょうか。
実は自作の水耕栽培でジャガイモや大根、カブに人参などの根菜類も育てることができるんです。
ジャガイモなどは特に、キッチンの片隅に忘れていて芽が出てしまうことも多いもの。捨ててしまうなんてもったいないことはせずに、せっかくなら水耕栽培にチャレンジしてみませんか?
まずはタネイモを用意します。ジャガイモの水耕栽培は、わざわざやるというよりは「うっかりジャガイモの芽が出た!」というときに始めるのがいいのではないでしょうか。
ジャガイモは多めに買うことも多いですし、いくつかはそのまま置き忘れて芽が出てしまうといったことも多々あります。
バケツなどにパーライトを敷き詰めて、タネイモを乗せましょう。この上から、さらにタネイモが完全に見えなくなるまでパーライトをまぶしていきます。
結構たくさん実ができるので3つ入れると多いかもしれませんが、失敗したときのことも考えていくつかのタネイモを入れておきましょう。
それから数ヶ月、なんと肥料も与えずただただ放置しておくだけでいいそうです。水耕栽培の中ではかなり楽な部類です。
写真の鉢は冬を越して何度も凍っているようで、葉や茎はすっかり枯れてしまいましたが、パーライトを掘ってみると新しいジャガイモが実っていました。
サイズは小さめですが、タネイモとして植えておいた三株それぞれから新しい茎と根っこが伸びて、たくさんのジャガイモが実っていますね。
このタネイモも新じゃがのように硬くしっかりとしています。
タネイモを切ってみるとこんな感じ。密度が高くて、このまま食べられそうなくらいしっかりしています。ただ途中で凍ってしまっているので味は落ちるかと思われます。
少し透明になりかかっている部分があるのは成長している証。こういうものを見ると、ジャガイモという植物の力強さをあらためて感じてしまいますね。
培土の代わりにスポンジを使った自作水耕栽培で根野菜を育てるなら、まずは二十日大根(ラディッシュ)あたりからチャレンジしてみることをおすすめします。
根野菜は水の吸収性に優れているため、スポンジがあれば土もいらず手軽に栽培できますね。ほとんど手間もかからず、まんまるくかわいらしい二十日大根が育ってくれます。
根菜類であるジャガイモや大根などは本来なら土の中で育つものなので、水耕栽培でもりもり育っていくのを見るのはなかなか楽しいものがあります。
プラカップなどを使えば市販のものとは違う不思議な形に育って面白いので、是非チャレンジしてみてくださいね。
ベランダやお庭の日当たりが悪く、屋外に水耕栽培鉢を置くのが難しい場合は、LEDライトを使って室内で育てることになります。
LEDライト搭載の水耕栽培マシンは高価なので二の足を踏んでしまいそうですが、熱帯魚用のランプや自作LEDライトで代用することもできるので安心してください。
自然の太陽光で育てることができれば一番いいのはもちろんですが、住環境が整っていても日本の気候では雨や曇りが続いてしまうことも多いので、LEDライトはあった方が便利です。
専用のキットやLEDライトを買うと高価なので、市販のLED電球などを利用して自作してみるのもいいですね。
LEDのライトには赤色と青色の光が含まれ、植物にとってオールマイティで優しい光となっています。使う側の人間にとっても、熱がこもらず電気代もあまりかからず、長期間にわたって使えるのが嬉しいところ。
LEDライトの普及とともに、水耕栽培で野菜を育てたい人も増えてきているようです。水耕栽培とLEDは切っても切れない縁があるようですね。
LEDライトは植物にとっての太陽光の代わりです。なので、照射時間は大体、日中の陽が当たる時間と同じ12時間ほど必要です。
もちろん植物の種類によって最適な照射時間は変わるので、育てる植物の特徴をきちんと理解しておくことが何よりも大切になってきます。
無農薬で育てられるのが身体にも環境にも嬉しい水耕栽培ですが、植物なので虫がついてしまうことも当然あります。特に5月~7月はベビーリーフなどの葉物類によくアブラムシがひっついています。
虫対策に効果的な虫除けネットを自作しましょう。用意するものはどちらも100均ショップで売られている「おもちゃ入れ」と「洗濯ネット」の二つだけです。
まず、おもちゃ入れの底面だけを残して他の面にまるく穴を開けておきましょう。これは虫除けネットの枠組みとして使うことになります。
穴をあけるときは、カッターで切り始めたあとハサミで一気にカットすると楽に作業できます。
ここに洗濯ネットを被せれば完成です。洗濯ネットは編み目がとても細かいので、虫除けネットに最適。一番大きなサイズの、角タイプのものが便利です。
サイズが合うものがないようなら、L字ジョイントと塩ビパイプなどで枠組みを作り、洗濯ネットをカットして貼りつけても虫除けネットを作ることができます。
水耕栽培の規模に合わせてネットを自作してみましょう。
葉っぱの汁を吸うアブラムシは取っても取ってもいつの間にかひっついている葉物栽培の天敵です。もし手に負えないようなら、自然界の強者に助けてもらいましょう。
植え込みなどを探せばテントウムシが見つかります。これを捕まえて連れてくれば、一日程度でアブラムシの姿は消えてなくなります。
テントウムシが見つからなければ、ガムテープやセロテープでペタッとひっつけて一気に除去してしまうのもひとつの方法です。そのまま捨ててしまえるので虫が苦手な人でも大丈夫。
植物を育てていると虫との接触は避けられません。必要以上に怖がらず、冷静に対処するようにしましょう。慣れてくれば自然と平気で摘まんで捨てられるようになっています。
自分で作った野菜の味は、愛情がこもっている分だけ普段以上においしく感じます。
大切に育てた野菜で、あなたの食卓にも鮮やかな彩りを加えてみませんか?
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