2016/08/25
ririto
お庭で絢爛豪華に咲くイメージが強いバラですが、鉢植えでも十分楽しめます。それに鉢植えにはお庭が狭くても栽培できて、移動や管理もしやすいという利点も。今回は、鉢植えのバラを育てる方法やおすすめの品種など、鉢植えのバラを楽しむための情報を色々とまとめてみました。
誰もが魅了されるバラの庭園
豊富な色彩、優雅な花形、芳しい香り。バラは本当に、魔性といっても良いほどの魅力に溢れた植物です。
庭園で咲き誇るバラ達を見た時なんて、もう溜息しか出ませんよね。そんなバラに憧れて「育ててみたい」という方は少なくないと思います。
でも、「庭がそんなに広くない」という理由で躊躇っている方もおられるかもしれません。
ですが、ご安心下さい。バラは鉢植えでも十分美しく育てられるのです!しかも、鉢植えのバラには地植えにはない利点だってあるのです。
では、鉢植えのバラには、どんな利点があるのかご紹介します。
狭いスペースでも育てられる鉢植えのバラ
限られた土で育つ鉢植えは、ある程度まで大きさを抑えて育てる事ができるので、狭い庭でも育てられます。ベランダなど、土がない場所でも栽培が可能なのも大きな利点ですね。
また、あまり大きく育てたくないという場合にも、鉢植えで育てる方法は効果的です。
デリケートで栽培が難しいバラほど、庭よりも鉢の方が管理しやすい
デリケートで栽培が難しいと言われているバラほど、鉢植えにするのがおすすめだという事をご存知でしょうか?
デリケートで栽培が難しいバラは、他のバラと比べると耐病性が低く、樹勢も弱い性質を持っています。そういったバラは根から水分や養分を吸収する力も弱いため、広い庭だと根腐れを起こしやすく、育ちにくいのです。
こういったバラは小さめの6~8号鉢で、水はけが良く乾きやすい用土を使って育てるのがおすすめです。このように、鉢植えは通気性や排水性のコントロールが地植えよりもやりやすいというのも大きな利点の1つです。
乾湿の繰り返しが根の健全な成長を促します。水やりのタイミングだけでなく、バラの性質に合わせて最初から環境を準備する事が大切です。
より良い場所へと移動させられるのも鉢植えの利点
生育状態や季節による環境の変化などで、より良い場所へと移動させる事ができるのも、鉢植えの大きな利点です。
例えば、バラは日当たりの良い場所を好みますが、真夏の強過ぎる日差しはさすがにダメージとなってしまいます。そこで、直射日光をいくらか和らげられる場所へ移動させて真夏の強過ぎる日射しからバラを守るのです。また、開花期になったら鑑賞しやすい場所に移動させるという事もできます。
ただし、頻繁に移動させるのはバラに良くないのでほどほどに。
大きな鉢植えを移動させたい場合は、台車などを利用しましょう。
地植えにしたい場合でも、苗を鉢植えである程度大きく育ててから植えると、その後の生育が良くなります。鉢植えで育てている間に植え付ける場所の土壌を改良し、バラの生育に向いた土にしておくなど、バラのために良い環境を整える事もできますよ。
このように、鉢植えでバラを育てる利点は意外と多いのです。
大体のバラは鉢栽培可能
実のところ、ほとんどのバラが鉢植えで育てられます。大きく育つつるバラも、大体は10~12号の大鉢で、オベリスクやフェンス仕立てにしたりするなどの方法で、鉢植えのバラとして育てる事が可能です。
上手にできれば、びっくりするほど美しい作品になりますし、鉢植えなら大きくなり過ぎないので、コントロールもしやすいです。お庭のフォーカルポイントにも、もってこいですよ。
とはいえ、やっぱり鉢植え向き、または鉢植えがおすすめだという品種は存在します。
そこで、ここでは参考として、鉢植えに向いたバラの品種をご紹介します。とはいっても、園芸品種だけでも軽く万を越えるバラですので、鉢植え向きに絞っても大変な数となってしまいます。
ですので、ここにご紹介する品種は鉢植えに向いた品種の、ほんのごく一部です。
ヨハネパウロ2世
2008年にアメリカで作出された白バラです。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の偉業を称え、バチカン庭園に植樹するために選ばれたのが、名前の由来です。
とにかく高品質な白バラです。光沢のある白い花びらは枚数が多く、ボリューム満点の大輪の花を咲かせます。花つきも良く、生育順調な株だと、大輪の豪華な花をたくさんつけてくれますよ。しかも、1番花以降の花も、大きさや花びらの枚数をほとんど変えずに咲いてくれるのです。
香りもシトラス系の爽やかな香りで、上品で高貴な印象を与えてくれます。生育旺盛で、耐病性もあり、育てやすいバラです。
また、白バラの弱点として、雨に降られたりするとシミができてしまう点が挙げられますが、この”ヨハネパウロ2世”は、それも克服しており、本当に欠点というものが見当たらない優秀なバラです。鉢植えでも地植えでもいけます。
剣弁高芯咲きで優秀な白バラをお求めの方には、本当におすすめの品種です。
エレーヌ ジュグラリス
2008年に日本で作出されました。きめが細かく優しい質感の純白の花びらが、半剣弁高芯咲きの整った形に咲く美しいバラです。大輪で花つきも良く、鉢植えでもよく咲きます。
環境や天候、季節によっては中心部に淡いピンクがのる事があります。その様も大変美しく、清楚でありながら妖艶な雰囲気も併せ持つ「白バラの傑作」と言われています。
見た目は繊細そうに見えますが、黒点病に耐性があり、育てやすい部類に入ります。地植えでもいけますが、雨に降られるとシミになりやすい弱点がありますので、雨が当たらない場所に移動できる鉢植えの方がおすすめです。
フラム (バロンオークラ)
濃赤色の大輪のバラで、最大の特徴は「超強香」と表現されるほどの濃厚な香りにあります。
赤いバラで香りが良いとされる品種は、「ダマスク香」と呼ばれているバラ本来の甘い花の香りで、花色も黒みがかったものがほとんどなのに対して、この”フラム”は真紅の花色で、香りは濃厚なフルーツ香という、希少な赤バラです。
樹高は0.8cmほどと、非常にコンパクトなところが鉢植え向きとされている理由です。
フランスで作出され、2012年にパリで開催された「フランス調香師協会」の70周年記念花として紹介・発表された赤バラです。フランス名は”Reine des Parfums”。
日本では”フラム”(炎という意味)の名前で2013年に発表されました。そして2015年にホテルオークラ東京で開催された第15回「大使、大使夫人による10ヵ国のガーデニング in Okura」の記念花に選ばれ、2ndネームとして”バロン オークラ”と命名されました。
クロード・モネ
2012年フランスのデルバール社が作出したバラ。黄色にピンクの絞りが入った複雑な模様の中輪花が特徴で、独特の華やかさと可愛らしさがあると人気です。
甘いバラの香りに、ティーとパウダーが混ざったような強い芳香があります。耐病性もあり、育てやすい品種です。枝が伸び過ぎず、樹高も1mほどとコンパクトにまとまるので、鉢植えに向いています。
同名のバラがありますので、購入の際にはお気をつけ下さい。
ガブリエル
ツンと尖った花びらと、うっすらと青みがかった花色。そして清々しさを含んだ花の香り。2008年日本で作出・発表され、その繊細で神秘的な美しさでたちまち大人気となったバラです。特に女性から高い支持を得ています。
やや気難しいバラで、水分を吸い上げる力が弱いため、地植えだと水を吸い上げきれずに根腐れを起こしてしまう可能性があります。株もコンパクトなので、鉢植えで育てた方が良い品種です。
レディ・エマ・ハミルトン
豊富な花色と素晴らしい香り、他の植物ともよく調和する自然で優美な樹形で大人気となったイギリスのローズブランド「イングリッシュローズ」。その作出者であるデビッド・オースチン氏自身がおすすめする品種の中にも入っている優秀なバラです。
アプリコットオレンジやオレンジイエローが混じるオレンジ系の複色のバラで、その輝くような発色でお庭のアクセント・カラーにも使えます。
香りは洋ナシやブドウなどが混じった柑橘系の強いフルーツ香。強香種の多いイングリッシュローズの中でも特に香りの強い品種の1つとされるほど濃厚で素晴らしい香りがします。
暑さに少し弱いところがありますが、耐病性が高くコンパクトに育てられる事から、イングリッシュローズの中でも非常に人気の高い品種です。
パリス
2013年に日本で作出・発表された比較的新しい品種で、淡いピンクから濃いピンクの濃淡のグラデーションという独特の花色が特徴のバラです。香りは強くはありませんが、ローズとミルラの良い香りがします。
株元から全体に花をつけるので、鉢植えでも地植えでもよく映えます。1つ1つの花を見るよりも、株全体でのグラデーションや、花形や花色のトーンなど、株全体で見て楽しむタイプのバラです。
黒点病やうどんこ病への耐性があるので、通常の手入れで十分綺麗な姿を保てます。耐陰性が弱いので、日当たりの良い場所で育てましょう。
薫乃
2008年に日本の最大手バラ育種会社「京成バラ園芸」から発表された品種です。
ソフトベージュを中心とした繊細なクリームピンクが中心部を覆うように咲く中輪花と、淡緑色の葉、そして何よりもダマスク香とティー香が混ざり合った甘く上品な香りが素晴らしいバラです。”薫乃”の名前も、その芳香と花姿の美しさから付けられたものなのだそうです。
花つきも良いので、順調に育てば素晴らしく見栄えがする鉢植えのバラになります。
花びらがとても薄くてデリケートなので、雨に降られると痛んでしまいます。雨の日は、雨のあたらない場所に移動させておきましょう。
樹高がコンパクトで、花つきの良いバラが鉢植えに向いているとされています。もちろん、ここで紹介したバラの他にも鉢植えに向いているバラはたくさんあります。
バラは園芸植物の中でも非常に種類が多い植物です。鉢植え向きに限定しても、好みの品種がきっと見つかりますよ。
鉢植えで育てたいバラが決まったら、次は鉢を選びましょう。バラに向いた鉢とは?
バラに向いた鉢とは?
バラは通気性と排水性を好むので、それらの機能が高い鉢を選ぶ必要があります。さらに根を下へ下へと張る性質がありますので、底が深い事も絶対に必要な条件となります。
こうして見るとバラの鉢選びは、なかなか難しいように思いますが、これらを満たすバラに向いた鉢があるのです。
それが次にご紹介する「スリット鉢」です。
スリット鉢
スリット鉢とは、大地の根張りを鉢でも実現できるようにとデザイン設計されたプラスチック製の植木鉢の事です。サークリング現象(伸びた根が鉢の底の方でぐるぐる巻いてしまい、生育に悪い影響を与える現象)を防止して根を最大限に生長させます。
また、プラスチック製の鉢はテラコッタ製(素焼き)の鉢などと比べると通気性に劣ると言われていましたが、スリット鉢の場合、鉢底に通気穴があり、側面にスリットが入っている事で通気性と排水性も高い植木鉢となっています。
スリット鉢には色んなデザインがありますが、園芸店やバラの専門店などではバラ向きのスリット鉢を選んで扱っているところもありますので、それを利用される事をおすすめします。
プラスチック製の鉢なら軽いので、移動させる時など、女性でも扱いやすいですね。
しかし、スリット鉢には見た目が今一つだという弱点があります。「バラを良い環境で育てたいけど、鉢の見た目にもこだわりたい」という方には問題ですよね。
ご安心下さい。その対応策はちゃんとありますよ。しかも、とっても簡単で、育てる上でのメリットまであるお得な方法なのです。
二重鉢
バラに使用しているスリット鉢よりも大きな、お好みのデザインの鉢を用意しましょう。それに入れるだけでOKです。
外側の鉢は、スリット鉢よりも2号~3号くらい大きなものだと隙間が出来て蒸れにくくなります。テラコッタなど通気性の良いものだとなお良いです。
二重鉢をすると、鉢の中の温度が急激に上がったり下がったりするのを防げるので、暑さ・寒さ対策になるというメリットもあります。
それでは、いよいよ鉢植えバラの育て方に入ります。
まずはバラ苗の購入からスタートです。バラは種から育てる事も不可能ではないのですが、苗から育てるのが一般的です。そして、この苗にも種類があり、選ぶ必要があるのです。
新苗と大苗
バラの苗は大きく分けると「新苗」と「大苗」の2種類があります。新苗は冬に接ぎ木されたもので、春の4月~5月に販売される、人間で言うと赤ちゃんのような幼い苗です。価格はバラの苗の中で一番安いのですが、株をしっかり育てて成熟させないといけないので、花を見るのに時間がかかります。
大苗は新苗を春頃に畑に植えて、秋まで育ててから掘り上げたもので、10月~3月頃に販売されます。株が充実しているので春には花を見る事ができますが、手間がかかっている分、新苗よりも高価です。また、成長している分、鉢植えでも地植えでも新しい土に根付くのが新苗よりも難しいというデメリットもあります。
さらに専門店などでは、大苗を鉢に植えて育てた「鉢苗」というものがあります。新苗や大苗よりもさらに高価ですが、育てやすくその年から花を見られるというメリットがあります。
時期や自分の希望、そしてお財布の事などを考えて、一番自分に合ってると思う苗を選びましょう。
新苗や大苗の植え付け
バラの植え付けは新苗と大苗で異なります。
新苗は購入後すぐ、一回り大きな鉢に植え付けます。根張りの弱い苗を、いきなり大きな鉢に植え替えると、鉢の容量が大き過ぎて水が上手く吸収されず、土が湿ったままになってしまうので根腐れの原因になってしまいます。
鉢の底に鉢底石を入れてから用土を入れ、新苗の根鉢を崩さないようにして植え付けます。この時、肥料は必要ありません。根が肥料に直接当たってしまうと根が傷んでしまうからです。植え付けて10日たってから、有機質の肥料を鉢の縁に置きましょう。
大苗は6号鉢以上で販売されているものは、すぐに鉢を替えなくても大丈夫です。ただし、土がついていない「裸苗」で購入した場合は、新苗の時とは少し手順が異なってきます。
バラ 大苗の植え付け
バラの大苗「裸苗」の植え付け方を紹介した動画です。動画の中で紹介されているように、裸苗は植え付ける前に吸水させる必要があります。それ以降は新苗の植え付けと大体同じです。初心者には厳しいかもしれませんが、根の状態を見られる事と安価である事から、裸苗を選ぶ方も少なくありません。
また、植え付ける際に注意する点があります。バラに限らず鉢植えで植物を育てる場合、絶対に必要な事です。
ウォータースペースをきちんと作る
バラに限らず植物を鉢で育てる場合、絶対に必要なのがこの「ウォータースペース」です。
ウォータースペースとは、水が溜まるスペースの事で、これがないといくら水をやっても縁から外へ流れ出してしまって、根にまで水が行き渡らなくなってしまいます。
ウォータースペースの幅は、植え付ける鉢の高さの1割~1.5割を目安にとりましょう。
午前中の光が当たる場所がベスト
鉢植え地植え共に、バラを健康に育てるために一番重要なのが育てる場所です。半日陰でも育つ品種が一部ありますが、日当たりの良い場所で育てるのが基本です。
特に重要なのが光合成が最も盛んになる午前中の光。できれば朝日が良く当たる東側から南側が理想的です。逆に西日がよく当たる場所は生育に良くない影響を与えるので避けましょう。
複数の鉢を置く場合は、互いの光合成を邪魔しないように配置します。背が高い鉢、大きな鉢は奥に置き、小さな鉢は前に置くのが基本です。
市販の培養土でOK
バラは通気性と水はけの良い土を好みます。鉢植えなら、市販の培養土を利用するのがおすすめです。
バラの培養土は多くのメーカーから色んな種類のものが出ていますので、色々と調べてみて、自分にあったものを選びましょう。
表面の土が乾いたら与えるのが基本
鉢植えのバラの水やりは、土の表面が乾いたら与えるのが基本です。土の表面が乾いたら、鉢底から水が染み出すまでたっぷりと与えます。土や水滴が枝葉に跳ね返る事のないように(病気の原因になります)土に直接、静かに与えて下さい。
水やりのタイミングは季節で違ってきます。一番水切れしやすい夏は、夜明け後の涼しい時間帯か、日暮れ後。水切れを起こしてしまったら時間帯に関係なく、すぐに日陰へ移動させて水をたっぷりと与えて下さい。
冬は逆に乾かし気味に管理します。土の重さが水を十分に吸った時の半分くらいの重さになるか、土の表面から5cm以下の土が乾いたら水やりします。水を与える時間帯は、暖かい日の午前中です。
春と秋は土の表面が乾いたら、午前中11時までに水をやります。
肥料食いでも用量・用法は守る
元肥は冬の植え替えの時に、緩効性の肥料を直接根に触れないように混ぜ込んで、長くゆっくりと効く効果を狙います。
ただし、元肥だけではバラが1年を通して必要とする養分を補う事はできませんので、生育期に追肥を施します。追肥のタイミングは商品によって異なりますが、大体3月~11月、月に1回の割合で追肥します。
元肥、追肥共に既定の用量・用法を守って使いましょう。「肥料食い」と言われているバラですが、それでも肥料が多過ぎると生育不良を起こしますし、最悪枯れてしまう原因にもなってしまいます。
バラの専用肥料は色々な商品が出ていますが、大きく分けると有機質肥料と化成肥料との2種類があります。
有機質肥料は効き目は遅いですが、土壌の微生物を増やす効果があり、株を丈夫で病気にかかりにくくしてくれます。
化成肥料は使い続けると株の老化や土の劣化を早めてしまいますが、効き目が早く、新しい枝(シュート)の発生を促したり、株の成長を早めてくれる効果があります。
そこで、基本は有機質肥料を使用し、芽出し時などのエネルギーを多く消費する時に、即効性の液体化成肥料を併用するという風に使い分けるという使い方もあります。
剪定は3種類
バラの剪定には花後剪定(花がら切り)・夏剪定・冬剪定の3種類があります。
花後剪定は花が咲いた後に花枝の半分くらいまで切り戻して、次の花や新芽を上がりやすくするために行うものです。
夏剪定はしなくても良いのですが、バラは高温多湿な日本の気候だと欧米に比べて背丈が伸びるので、品種によっては秋の花を下から見る事になってしまいます。そこで、秋に見やすい位置で花を見られるように背丈を調整するのが、夏剪定の目的です。台風の多い地域の場合は、高さを抑える事で台風の被害を少なくする効果もあります。
最も重要なのが冬剪定です。春に良い花を咲かせるために、休眠期に株を短く切ります。株を短く切って新しいシュートを出しやすくする事で、枝を更新し、株の老化を防ぎます。
四季咲きバラ花後剪定
四季咲きバラの花後剪定を解説した動画です。花後剪定は四季咲き性も一季咲き性(春しか咲かないバラ)も、開花後に必ず行います。咲き終わった花をいつまでも残していると、実(ローズヒップ)がついて樹勢が落ちてしまったり、次の花が咲きにくくなってしまったり、新しい枝葉が出にくくなってしまったりしますので、きちんと切り取りましょう。
バラ(ブッシュ・ローズ)の夏剪定
夏剪定を詳しく紹介している動画です。四季咲き性のバラに行います。樹高の調整と、秋に観賞価値の高い秋バラを同時に、見やすい位置で見るため、というのが夏剪定の主な目的になります。行う時期は地域や樹形やバラの系統によって少し異なりますが、大体は8月下旬~9月上旬です。
夏剪定は時期が早過ぎると、残暑の高温で花びらの数が少なくなるなど、本来の花が見られなくなります。遅過ぎると気温の低下で花芽がつかず、秋の花が見られなくなります。
絶対に行わないといけない作業ではないので、不安な方は行わなくても良いですよ。
【バラの育て方】冬の強剪定(鉢植え編)【花ごころ】
鉢植えのバラの冬剪定の様子を紹介した動画です。行う時期は12月中・下旬~2月上・中旬までの休眠期。四季咲き性・一季咲き性共に行います。短く切る事で枝を更新を促し、株の老化を防止する大事な作業です。バラの作業の中でも大変な作業ですが、しっかり行う事で株が充実し、春に美しい花を見られます。頑張りましょう!
鉢植えバラの、冬のもう1つの作業として重要なのが植え替えの作業です。新しい大きな鉢に植え替える「鉢増し」と、同じ鉢に新しい用土で植え替える「用土替え」の2種類があります。
冬剪定と並んで大変な作業ですが、根を整理して新しい土に替える事で株の生育が良くなりますので、頑張ってやり遂げましょう。
冬の植え替え
鉢植えバラの冬の植え替え作業は、やり方は前に紹介した植え付け作業とそんなに変わりませんが、こちらは根鉢を大きく崩します。こうする事で古い土を落とすのです。また、土の中に潜り込んだ害虫を取り除く目的もあります。
元肥として鉢底に薄く敷いた用土に有機質の緩効性肥料を混ぜ、根に触れないように用土で覆ってから株を入れて植え替えます。こうすると根がよく伸びて生育が良くなるそうです。
バラの簡単土替え【移動できない・植え替えできない時にも!】【バラの育て方】
鉢が大き過ぎる、つるバラを誘引しているので動かせないなどと言った理由で株を鉢から取り出すのが難しいという場合におすすめの簡単な土替えのやり方を紹介した動画です。こういった方法も駆使して冬の作業をしっかり行えば、鉢植えバラは見違えるほどの株に成長します。
バラが栽培が難しい植物だと言われる原因の1つが、病害虫対策です。バラがかかる病気、バラに群がる害虫はとても多いため、どうしても薬剤の使用が必要になります。一部無農薬でも育てられる品種はありますが、バラの多くは効果的な薬剤散布が必須です。
薬剤には殺菌剤と殺虫剤、それらを混合した殺菌殺虫剤もあります。それぞれ症状や目的に応じて使い分けます。
特になるべく薬剤を減らしたい、という場合は症状が出てからではなく、病気が発生する季節の前に殺菌剤を予防的に散布すると効果的です。
鉢植えにおすすめなハンドスプレータイプ
鉢植えで数も少ないのなら、手軽なハンドスプレータイプがおすすめです。容量は少ないですが、症状を見つけたら気軽に散布できますので、鉢植えにピッタリです。
同じ薬剤を使い続けていると耐性がついて効かなくなってしまうので、2~3種類を購入してローテーションで使用するのが薬剤散布の基本です。
鉢植えでも数が多い場合は、水で希釈して使用する薬剤を使いましょう。
また、鉢植えの場合は、土の中に潜り込む害虫にも注意しなければなりません。
土にまくタイプの薬剤でコガネムシの幼虫を撃退
バラにつく病害虫は多いのですが、鉢植えバラにとって最も厄介な害虫の1つがコガネムシの幼虫。土の中に潜り込んで根を食い荒らすこの害虫に来られると、限られたスペースで育つ鉢植えにとっては致命的なのです。
そこで役に立つのが、土にまいて害虫を撃退するタイプの薬剤。通常の薬剤散布では撃退しにくい土の中の害虫も退治できます。パッケージに書かれている用量・用法を守って使用しましょう。
鉢植えのバラについて色々紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
広い庭がなくても育てられて、美しく咲いた時には好きな場所に移動させて鑑賞する事ができる鉢植えのバラ。ぜひお気に入りのバラを育てて、そばで好きな花を眺められる贅沢な時間を手に入れて下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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