プロが語る!庭木の剪定を依頼したときの相場、自力でやる方法など
2017/03/28
sura
2016/05/20 更新
庭木剪定の目的は、いらない枝を切り取ることと、樹木の形を整えることです。どんな枝が不要なのかを知り、日当たりと風通しをよくできれば、基本は充分。まずは日常の手入れから始めて、剪定に慣れたら樹形作りに挑戦しましょう。きっと庭木も喜んでくれます♪
[表示する]
一番の理由は、庭の広さが限られているからでしょう。しかし他にも大事な理由があります。枝をすかして樹木全体に日が当たるようにし、また、茂りすぎたところに害虫や病気が発生しないように枝切りします。松やツゲなどは、樹形を整えて美しく見せるのに剪定が必要です。
植木ばさみ
直径1cmぐらいまでの枝を切るのに使います。指を入れるところが丸くなっているのは、周囲の葉を傷つけないためです。このはさみで1cmに近い太い枝を切るときは、空いている方の手で枝を向こうに押しやって、切り口を開くようにして剪定するとうまく切れます。
剪定のこぎり
庭木の剪定には、片手で楽に持てるのこぎりがいいです。樹木を傷つけないために、片刃で刃の先端が丸くなっている先マルのクシ型が適しています。刃の長さは25センチ~45センチが一般的ですが、家庭では24~27センチのものが使いやすいです。替え刃方式がふつうです。
刈り込みばさみ
生垣や玉造りなどに使うはさみで、葉の小さい庭木に使用します。初めてだと使い方が難しく感じますが、右利きなら左手ではさみを固定して、右手で刃を開閉するイメージで刈り込みをします。そのとき、刃先がしっかりと嚙み合うように、柄を中に絞るようにして使います。
落葉広葉樹とは、葉が広く、秋に葉を落として、春になると芽吹いて花を咲かせる樹木です。花や葉が美しいものが多く、庭によく植えられています。サクラ、モミジ、アジサイ、サルスベリ、それにこの写真のハナカイドウなど種類が多いですね。
落葉広葉樹は、葉が落ちて活動がにぶくなる年末から2月にかけて剪定するのがベストです。ただ、ウメやアジサイのようにすでに花芽ができている樹が多いので、花をたくさん咲かせたい場合はふつうの芽より大きめの花芽をできるだけ残すようにしましょう。
常緑針葉樹とは、葉がツンツン尖っていて1年中緑の樹木です。写真の木はイチイ。マツをはじめ日本では庭園樹として愛されていて、いま流行のコニファーもこの種類です。常緑針葉樹は寒さに強いので、春の初めから4月いっぱいの早い時期に庭木の主剪定をするのがおすすめ。枝を切った後にすぐ新芽が出るため、すぐ傷が目立たなくなります。
常緑広葉樹は、葉が広く、年中緑を保っている樹木です。寒さの影響を受けやすいため、暖かくなる4月の末から6月ぐらいが剪定の適期。花を咲かせた後に樹が来年の支度を始めるので、そのタイミングに合わせて剪定します。この立派な大木はカシの木です。
徒長枝
徒長枝(とちょうし)とは、他の枝にくらべて太く、やたら長く伸びた枝のことです。勢いがよすぎて栄養分を独り占めしてしまったり、樹形を乱すので、枝の元から剪定します。
ひこばえ
樹木の根元やすぐそばの地面からはえてくる、勢いのある枝のことです。この枝を伸ばしておくと親の庭木の栄養を奪い、勢いを弱めるので、元から剪定します。
逆さ枝
内向枝ともいい、ふつうの枝の向きにさからって生える枝のことです。形の面白さで残す場合もありますが、普通は元から剪定します。
平行枝
隣同士で同じ大きさ、ほぼ同じ向きの枝があったとき、どちらかを剪定します。残しておくと庭木の形が単純になってしまい、面白みがなくなるからです。
交差枝
他の枝と交差して伸びている枝です。庭木の自然な伸びをさまたげる上、風などですれて他の枝を傷つけるので、元から剪定します。
胴ぶき枝
庭木の幹の途中から伸びてくる細い枝を、胴ぶき枝といいますす。放っておくと太くなって、木の上部へ行く養分を横取りすることがあるので、早めに元から切り取りましょう。
下がり枝
垂直に上へ向かって伸びる立ち枝と同様に、庭木の幹や枝から下へ向かって伸びる下がり枝も樹形を乱すので、早めに剪定します。
一般の枝の切り方
要らない庭木の枝を切るときは、かならず付け根ぎりぎりで剪定しましょう。枝の元を残して切ると、枯れたり、こぶになったり、再び芽が出たりすることがあります。
太い枝の切り方
庭木の太い枝を剪定するときは、上から切らないでください。枝の重みで切っている間に折れ、裂けてしまうことがあります。それを防ぐやり方は、まず最初に下から切れ目を入れ、次に少し離れたところを上から切ります。すると切れ目の間から枝が折れるので、もう一度平らに切り直します。切り口には抗菌癒合剤かペンキを塗って、腐らないようにしましょう。
切り戻し
庭木が大きく成長して、乱れてきた樹形を整えるためなどに行う剪定です。庭木の休眠期、晴れた日の午前中に剪定するのが最適です。枝の切り口が早く乾いて、病気になりにくいからです。同じ理由で、清潔な剪定はさみやのこぎりを使ってください。
庭木 つばき 透かし剪定のコツ
切り戻し剪定の実際例です。東西南北から樹形を見て、バランスよく整えるんですね。ダイヤ理論はすてきですが、なかなか理想通りにはいかないでしょうか。大胆に枝透かしをしているのが印象的です。
刈り込み
垣根やトピアリーなど、一定の形に刈って作り上げる剪定です。刈り込みばさみや電動バリカンで庭木全体をカットし、外形を整えると同時に日当たりと風通しをよくします。
庭木の剪定 キンモクセイ
刈り込み剪定を実際にやっているところです。側面から上へあがって切っていくんですね。キンモクセイは剪定せずに伸ばすと7~8mの大木になるということですから、まめな手入れが必要ですね。
春の庭木剪定
春には主に、花が咲いたあとの枝の剪定をします。花木はふつう、咲いた直後に剪定するのが一番いい時期です。サクラのようにあまり枝を切ってはいけない例外はありますが、このウメのように美しく咲いた後は、ふつう枝を外芽の上で短く切って、来年用の新しい枝を育てます。
夏の庭木剪定
夏は庭木も活気が出ていて、伸びすぎた枝で日当たりが悪くなったり、風通しもさえぎられます。また徒長枝やひこばえなど忌み枝が出やすくなりますので、そういった邪魔な枝を整理のが主な剪定です。見つけ次第、こまめに取り除いてください。
秋の庭木剪定
庭木のうち、常緑樹にはあまり触らないほうがいい時期です。冬にそなえて準備中なので、太い枝を剪定するのはやめたほうがいいです。一方、落葉樹は葉や実を落として身軽になり、もう備えはできていますから、思い切った剪定にも耐えられます。
冬の庭木剪定
冬の常緑樹は、秋と同じでダメージを受けやすくなっています。どうしても剪定しなければならないときは、切り口が凍るような日は避けてください。落葉樹のほうはやや強めの剪定でも大丈夫。葉がないので全体の形を見て整える好機です。
本格的な庭園ならプロにお任せしても、家庭の庭でコツコツ集め、植えて育てた庭木には歴史や思い出があって、できれば自分で剪定したくなりますね。身近にあるだけにすぐ手入れできるというのも、専門家にない強みです。時期と方法をまちがえなければ、庭木は案外丈夫なもの。ご自分で剪定して、庭木の健やかな成長を見守る楽しみを味わってみてはいかがでしょう。
この記事に関する記事
Copyright© 運営事務局