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2021/07/05
User0617
2021/04/30 更新
バスマットやコースターでよく耳にする「珪藻土」。古くから七輪やレンガ、壁材にも多く使用されてきました。最近では、調湿機能などの優れた効果が広く知られるようになり、更に身近な存在となっています。今回はそんな珪藻土のリフォームについてご紹介していきます。
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それでは珪藻土とはいったいどんな素材なのでしょうか。
こちらでは珪藻土のメリットである
・調湿性能
・脱臭性能
・抗菌性能
3つの特徴を順番にご紹介していきます。
まずひとつ目の特徴は「調湿性能」です。珪藻土の一粒一粒には非常に小さな穴が空いており、高い吸湿機能を持っています。成分によって違いはあるものの、部屋の湿度を一定に保つことにより、カビ対策や冬の結露対策にも効果的です。また加湿器や除湿器と併せて使用することにより、より高い効果を得られることもできますよ。
続いての特徴は「脱臭性能」です。科学の現場では物質のろ過助剤として用いられることの多い珪藻土。空気中の水分子に溶けたにおい成分を、珪藻土が吸着したりとどめたりすることにより、残りがちな部屋のにおいを抑えてくれる効果があります。
珪藻土は「抗菌機能」も要チェックです。ご紹介した通り珪藻土の一粒一粒に空いているのは非常に小さな穴です。それによって内部にダニやカビを侵入させにくく、とっても衛生的なのもうれしい特徴です。
バスマットやコースターなど、キッチンや水回り用品としてよく耳にする珪藻土。その用途は他にも様々で、熱に強く断熱性に優れている為古くから七輪やレンガなどに用いられてきました。また粉末状にしたものに藁や糊を混ぜ、調湿機能の優れた壁材としても多く用いられています。
珪藻土と漆喰、どちらも壁材として使用されることの多い素材ですが、いったいどんな違いがあるのでしょうか。
先に紹介したように、珪藻土は藻類の一種である珪藻の死骸が蓄積され化石化したものを細かく砕いたものです。一方漆喰は、石灰石という岩石を原材料としています。どちらも調湿機能はありますが、吸放湿機能の点では漆喰のが若干劣ってしまいます。しかしアルカリ成分により、漆喰はカビが発生しずらい特徴もあります。
また、漆喰は自ら固まることができますが、珪藻土は自ら固まらないため、固めるための固化材と呼ばれる材料が必要となります。
【メリット】
珪藻土
・調湿機能がある(漆喰よりも高い効果)
・脱臭性能がある
・耐火性に優れており、燃え移った場合も有害物質を発生しにくい
漆喰
・調湿機能がある(珪藻土よりやや劣る)
・脱臭性能がある
・耐火性に優れており、燃え移った場合も有害物質を発生しにくい
【デメリット】
珪藻土
・カビが発生する可能性がある
・自ら固まることができない
・壁材は剥がれやすく、掃除の手間がかかる
漆喰
・ひび割れが起きる可能性がある
それでは実際に家の壁を珪藻土にリフォームするにはどうすればいいのでしょうか。こちらではDIYで行う方法と、リフォーム業者に依頼する2つの方法をご紹介します。
まず先に、DIYによる珪藻土を使ったリフォームについて解説します。リフォームを行う前には、必要な道具や手順、注意点などをしっかりと押さえておきましょう。
こちらでは珪藻土リフォームのDIYに必要な道具をご紹介していきます。
・養生
マスキングテープやマスカー、養生テープ、ブルーシート、ハサミやカッターがあると便利です。マスキングテープやマスカーは多めに準備しておくといいかもしれません。
・下地作り
壁の素材により異なりますが、シーラーやヘラ、刷毛やローラーを用意しておきましょう。
・下塗りと仕上げ塗り
コテやコテ板、ひしゃくヘラ、バケツ、保護メガネが必要になってきます。
1.養生する
ますはマスキングテープなどと使い汚したくない部分や塗りたくないところをしっかりと保護していきましょう。テープを貼る際は、スイッチやコンセントなども忘れずに。手間がかかる作業ですが、きれいに仕上げるためには欠かせない工程です。
床は新聞紙やシートをマスキングテープで留めて敷きましょう。
2.下地処理をする
必要に応じて下地材を塗るなどの下地処理をして乾かしていきます。こちらの作業は、珪藻土の種類などによっては必要はありません。
3.珪藻土を練る
続いてはゴムベラなどを使い珪藻土を水で練っていきます。この際水は少しずつ加えていくのがポイントです。ダマがなくなり滑らかになるまで混ぜ合わせると、きれいに塗ることができます。
すでに練ってあるタイプの珪藻土を使用する場合は、こちらの工程は飛ばしてください。
4.珪藻土を塗る
コテやヘラなどを使い、珪藻土を壁に塗り広げていきましょう。2度塗りで仕上げることで、珪藻土特有の模様をつけることもできます。重ね塗りをしながら好みの模様をつけていきましょう。
5.養生を剥がす
すべて塗り終えたら、珪藻土が完全に乾ききる前にテープを剥がしましょう。乾燥後だとテープと一緒に珪藻土が剥がれ、仕上がりに影響が出てしまいます。
6.乾燥させる
触ったり物が当たったりしないように気を付け、珪藻土を乾かします。完全に乾くまでに約2~3日かかるので、風通しを良くしたり扇風機を上手に使うといいでしょう。
また、DIYする上での注意点もいくつかあります。
珪藻土は今日アルカリ性の性質を持っているため、粘膜や皮膚に付着した場合はすぐに洗い流す必要があります。特に目に入ると失明の危険もあるので、保護メガネをしっかりと着用するようにしましょう。タオルや帽子を被ったり、ナイロン生地の長袖を着用するのもおススメです。
実際にリフォームを行った場合、施工費用はどのくらいかかるのでしょうか。こちらでは施工事例と費用の目安をご紹介していきます。
<例1>
物置同然だった部屋が気持ちの良い寝室に
費用:37万円
工期:5日
築年数:21~25年
マンションでのリフォームです。対象は、クロスが剥がれ下地にカビが生えて物置のようになっていた部屋。この部屋は北側に位置しており、閉め切ると結露やカビが発生しやすいという欠点がありました。その壁を調湿作用のある珪藻土にしたことで空気もきれいになり、結露のない気持ちのよい寝室となりました。
<例2>
家具やインテリアに合わせた色で上質な空間に
費用:30万円
工期:1カ月(珪藻土リフォーム以外も含む)
築年数:16~20年
マンションでのリフォームです。部屋によって珪藻土の色を変えることで、家具やインテリアに合った上質の空間を生み出すことができました。施工中、廊下の壁の珪藻土に飼い猫がつけてしまった足跡は「記念に」と依頼主が残し、かわいらしいワンポイントに。
次に珪藻土リフォームを業者に依頼する際の選び方や注意点、費用や事例について解説することをお伝えします。
せっかく業者さんに依頼するのなら、こだわりを持って選ぶのも必要です。次は珪藻土リフォームを業者に依頼する際の選び方や注意点、費用などを紹介していきます。リフォーム業者選びでは、以下の点に注意するといいでしょう。
一般的には見分けづらいですが、珪藻土を塗る職人さんを左官職人といい、大工さんなどとは違うので注意が必要です。
また普段から内装を塗っている業者さんかどうかも、外壁と内装では現場の動き方まで全く違うため大事なポイントになってきます。内装のリフォームを依頼する場合は、最低でも内装に珪藻土を塗った経験のある職人さんにお願いすると安心です。
それでは実際にかかる費用についてみていきましょう。施工事例と併せてご紹介していきますが、こちらはあくまでも参考としてお考え下さい。
〈例1〉
費用:37万円
工期:5日
築年数:21~25年
マンションでのリフォーム。クロスが剥がれ下地にカビが生えてしまった壁を、調湿機能のある珪藻土にリフォームしました。空気がきれいになりカビのない寝室になりました。
〈例2〉
費用:30万円
工期:1ヶ月(珪藻土リフォーム以外も含む)
築年数:16~20年
こちらもマンションでのリフォームです。部屋によって珪藻土の色を変えることで、インテリアに合ったおしゃれな空間に。
〈例3〉
費用:17万円
工期:1週間
築年数:16~20年
木造の戸建住宅のリフォーム。既存のクロスの上に珪藻土を塗り、子どもにも安心な調湿・防臭効果のある空間に仕上がりました。
珪藻土の壁は一体どのようにお手入れすればいいのでしょうか?こちらでは基本のお手入れから汚れの種類別のお手入れ方法をご紹介していきます。いずれも早めのお手入れが肝心です。
・お手入れの基本
壁についたほこりは掃除機で傷つけないように吸い取るか、はたきやほうきで軽めに叩いて落としましょう。濡れた布で拭うお手入れ方法は、珪藻土にはオススメしません。
・手垢や鉛筆など何かをこすった痕
汚れの状態にもよりますが、きれいなプラスチック消しゴムで軽くこすると消えてくれることが多いです。
・コーヒーや醤油などのシミ
消しゴムで落ちない水溶性のシミや汚れは水を使うときれいになります。1日に2~3回汚れた部分に霧吹きで水をかけ、これを3日ほど続けると目立たなくなってきます。
汚れ具合や壁の色によって、漂白剤を使ったり、サンドペーパーをかけて削り落とすという方法もあります。
・傷やひび割れ
傷ができてしまった箇所に霧吹きでたっぷりの水をかけ、珪藻土の粉を指やヘラを使い塗りこむようにしてならし、乾燥させればきれいにすることができます。
いかがでしたでしょうか?今回は珪藻土についてご紹介しました。生活用品からDIYリフォームまで幅広く用いられる珪藻土。上手に取り入れ、快適な家づくりを目指していきましょう。
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「珪藻土」とは、水辺に生息する植物性プランクトン(珪藻)の死骸が蓄積され化石化したものを細かく砕いたものを言います。調湿機能に優れているため、最近ではバスマットやタンブラーなどで使われることも多くなってきました。また火に強いので、古くから七輪やレンガ、壁材などにも多く利用されています。日本では熊本城の内壁材に使用されるなど、江戸時代より伝統的に用いられてきた素材です。