2017/06/12
zeroko
2016/03/31 更新
緑化運動やガーデニングブームなどで注目されている植物の1つがゴーヤです。育てやすく、暑さ対策にもなる緑のカーテン作りにも使える上に収穫したものは料理に使えます。今回は、そんなお役立ち野菜ゴーヤの育て方について、基礎知識から育て方の基本などをまとめてみました。
まずはゴーヤについて、簡単にご紹介します。
ゴーヤとは
ゴーヤは熱帯アジアを原産地とするウリ科ツルレイシ属の植物で、「苦瓜(ニガウリ)」「レイシ」「ツルレイシ」などの別名があります。未熟な果実を野菜として利用します。
沖縄料理でも特に人気のある料理「ゴーヤーチャンプルー」の材料として全国的に需要が増加しました。ゴーヤという名前は、沖縄本島で「ゴーヤー」と呼ぶのが一般的だった事から広がっていったと言われています。
緑のカーテン作りにも使えるゴーヤ
葉を茂らせるツル性の植物を利用して作る「緑のカーテン」。日射しを遮るだけでなく、根から吸い上げた水を葉から放出する植物の「蒸散作用」によって周囲よりも気温を涼しく保つという、電気代のかからないエコな暑さ対策である事から盛んに行われるようになった緑化運動の1つです。
ゴーヤは、この緑のカーテンに向いている植物として大いに利用されています。果実を収穫できる事もゴーヤで作る緑のカーテンの大きな魅力です。
ゴーヤ以外では、アサガオやヘチマなどが緑のカーテン作りによく利用されています。
夏バテ防止に抜群の効果!栄養満点のゴーヤーチャンプルー
沖縄料理の中でも人気の高いゴーヤーチャンプルー。主に夏バテ防止に効くと言われていますが、美容にも健康にも良い料理なのです。
まず、ゴーヤ自体が元々栄養価の高い野菜で、ビタミンCを非常に多く含んでいる上に、加熱しても壊れないという凄い特性があります。他にも鉄分に葉酸、カリウム等々、多様な栄養素を持っているのです。
これにビタミンB1を含む豚肉、たんぱく質とカルシウムを豊富に含んでいる木綿豆腐、抗酸化作用を持つセレンを含む鶏卵との組み合わせで、夏の暑さに負けない栄養満点な料理となる訳です。
ゴーヤチャンプルの作り方 - 使えるレシピ
ゴーヤーチャンプルーの作り方を紹介した動画です。「苦瓜」の別名通り、独特の苦味があり、好き嫌いが分かれる野菜であるゴーヤですが、ゴーヤーチャンプルーにすると、苦味がいくらか軽減されますよ。
それでも苦いという場合は、ゴーヤを切ってから軽く塩揉みした後、10秒ほど下茹でして下さい。これで苦味は大分抜けますよ。
種類は少なそうなイメージがあるゴーヤですが、実際は栽培されている産地によって、品種が異なっています。また、品種によって苦味の強さや食感も違います。
一般家庭用に園芸店などで売られているゴーヤにも、いくつかの種類がありますので、知らずに購入しに行ったら、どれを購入すればいいのか迷ってしまった・・・なんて事になってしまうかも。
そうならないためにも、ゴーヤの種類をいくつかご紹介します。
あばしゴーヤ
沖縄県の在来種で、太くてずんぐりとした形が特徴のゴーヤ。丸くて大きないぼがある一番ポピュラーな品種です。
「あばし」という名前の由来は、このゴーヤの見た目がアバサーという魚に似ている事から。アバサーとは、ハリセンボンの沖縄での呼び名です。
長さは20cm~30cmとあまり大きくはなく、肉厚で苦味は少ないゴーヤです。
さつま大長れいし
鹿児島県の在来品種で、きゅうりのように細長い形と、沖縄のゴーヤに比べると苦味が強いのが特徴です。
長さは30cmほどで、収穫量は多め。本格的な苦味を堪能したいという方向けのゴーヤです。
白れいし
白くて見た目がとても美しいゴーヤです。平らで丸みを帯びたいぼが特徴で、長さは10cm~20cmとゴーヤの中では小ぶりな品種です。
実は苦味が少なくジューシーで生食に向いています。サラダにしても美味しくいただけるゴーヤです。
生育は旺盛で育てやすい品種でもあります。
太れいし
白っぽい緑色が特徴のゴーヤで、長さは8cm~10cmほどと小ぶりで、太さは5cm~6cmほどの品種です。
実は長れいしに比べると、苦味は少なくて食べやすいです。
島心
長さは25cm~30cm、重さは400gくらいの大型の実がなるゴーヤです。いぼはそれほどごつごつしていません。
実は肉厚で苦味とみずみずしさとのバランスが良い品種です。
寿限無
25cm~30cmの細長い大型の実がなるゴーヤです。
苦味は強いのですが、ビタミンCの含有量が他のゴーヤに比べて多く、夏バテ予防に最適な品種です。
すずめゴーヤ
ゴーヤの中でも最も小さな品種で、手のひらサイズの実が鈴なりになります。
小さくて可愛い実ですが、苦味が非常に強いゴーヤです。天ぷらや炒め物に向いている品種です。
汐風
冬場でもハウス栽培ができるようにと品種改良されたゴーヤです。いぼが細かく鮮やかな緑色をしているのが特徴です。
大きく育つ品種で、中には30cmを越えるサイズにまで成長する事があります。
栽培農家専用品種なので、一般には入手できません。
純白苦瓜
白れいしと似ていますが、こちらの方が白さは上です。数ある白ゴーヤの中でも最も白く美しい品種です。
味は白れいしと違って苦味が強く、早めに収穫した時の苦さは相当なものです。
ゴーヤの種類はこの他にもまだまだあります。栽培環境や好みと相談して、購入する品種を決めましょう。
ゴーヤの育て方
ゴーヤは家庭菜園に緑のカーテン作りにと、人気の高い野菜です。野菜の中でも強健で比較的育てやすい方なのですが、育て方を間違えると花が咲かなかったり、実が大きく育たないといった事も。
そこでここでは種や苗の育て方、育て方のコツとして、実を増やす方法、肥料を与える時期など、良い実をたくさん収穫できる育て方をご紹介します。
ゴーヤの育て方① 種まき
まずはゴーヤを種から育てる場合からです。
ゴーヤの種まきは4月頃、気温が20度~25度になってから行います。種の尖った部分を1mmほどカットし、水に浸して発根させてから種をまきます。
種をまく時は、指などで土を軽く押してまき穴を作ってから種をまいて下さい。まき穴の間隔は20cmほど空けて、1か所につき2~3粒の種を入れます。
本葉が4枚~5枚になるまで、風通しの良い日陰で土を乾燥させないように育てます。小ポットで育てる場合は1個あたり3~4粒の種をまきます。
ゴーヤの育て方② 苗植え
ゴーヤを苗から育てる場合は、5月~6月が植え付けの時期です。鉢植えにする場合は大型の深底タイプのプランター(幅60cm以上、深さ30cm以上)なら1~2苗、9号以上の深型スリット鉢なら1苗が目安です。
鉢底に鉢底石を敷き、容器の縁から2cmのところまで用土を入れて、苗を植え付けます。
地植えの場合は40cm~50cmの間隔をとって苗を植え付けます。
鉢植えも地植えも、本葉が4~5枚になったら仮の支柱を立てて補助とします。ツルが伸びてきたら10cm角目の園芸用ネットを設置し、ツルを絡ませていきながら育てていきましょう。
ゴーヤの育て方③ 用土
ゴーヤ初心者の方には野菜用の培養土がおすすめです。自分で土を作る場合は赤玉土(小~中粒)4:腐葉土4:堆肥2の割合で混ぜて作ります。
地植えの場合は、植え付けの4週間前から庭土と石灰を混ぜて寝かせておいてから、2週間後に堆肥を混ぜます。苦土石灰は1苗につき大さじ山盛り1杯を目安に混ぜましょう。
ゴーヤの育て方④ 水やり
ゴーヤの水やりは、土の表面が乾いてからたっぷりと与えるのが基本です。午前中の、気温が上がる前に与えます。
夏などは夕方になると乾いている場合があります。その時はもう一度水やりをして下さい。水切れになると花が弱ってしまいます。
また、花に水がかかると実をつけなくなってしまうので、水の管理には注意が必要です。
ゴーヤの育て方⑤ 肥料
培養土で育てている場合は肥料は必要ありません。培養土以外の土の場合は、牛糞堆肥か緩効性の化成肥料を植え付け時に土に混ぜておきます。ゴーヤ用の肥料が市販されていますので、それを使用するのがおすすめです。
植え付け後は追肥として、野菜用の液体肥料を2週間に1回与えます。肥料が不足すると下葉が黄色くなって花つきが悪くなり、最悪枯れてしまう事もありますので気をつけましょう。
ゴーヤの育て方⑥ ゴーヤの剪定にあたる作業「摘心」
ゴーヤの育て方で重要な、たくさん果実を収穫するためのポイントとなる作業がこの「摘心」です。摘心とは、生長したツルの先端を切り取る作業の事で、いわばゴーヤの剪定作業です。この摘心を行いますと、ツルの伸びる範囲を上だけでなく、横へ広げる事ができるようになるのです。
摘心は2回行います。1回目の摘心後に伸びてくる子ヅルと、2回目の摘心後に子ヅルから伸びてくる孫ヅルに、果実が実りやすいからです。
1回目の摘心のタイミングは、本葉が7~10枚になった時です。親ヅルの先を、よく切れるハサミで切り落として本葉を4~5枚残しておきます。
1回目の摘心後に子ヅルが伸びてきますので、上についている子ヅルを3~4本残して下の子ヅルを切り取ります。
また、ツルや葉が混みあっているところは適宜ツルを切って風通しを良くしておくと、過湿にならずに済みます。
ゴーヤの育て方⑦ 病害虫
丈夫で育てやすい野菜と言われているゴーヤですが、全く病気にかからない訳ではありません。健やかに育てる事は、たくさん収穫するためにも重要なポイントでもあります。
ゴーヤが気をつけるべき病気や害虫についてご紹介します。
5月~9月頃に発生する病気です。古い土に住み着いていた細菌が原因で起こります。
この病気にかかると、葉がしなびてツルが割れ、全体が灰褐色になります。発見次第、病気にかかった部分を除去し、ベンレート水和剤などの殺菌剤を散布します。
予防する方法としては、古い土を使用しない、病害虫に強いカボチャが台木になっている接ぎ木苗を選ぶ、虫が寄り付きにくいネギ類と一緒に植えるなどがあります。
4月~10月の間に発生しやすい病気です。原因は病気にかかった枯れ葉や土の中の細菌です。
この病気にかかると茎がしおれ、葉の縁に褐色の病斑が現れます。降雨や水やりの時の泥はねで感染するため、株元に藁などを敷いてマルチングするのが有効な予防法です。
5月~7月の涼しい時期に発生する病気です。葉の表面に粉っぽい白斑ができ、生育不良に陥る病気です。日光の当たらない状態が続くと発生しやすいです。病気にかかった部分はすぐに取り除き、うどんこ病に対応した薬剤を散布しておきましょう。
予防方法は、窒素分が多い肥料の与え過ぎに注意し、風通しを良くする事です。
種から育てた幼い苗を食い荒らす幼虫です。成虫が卵を産み付け、幼虫が繁殖します。
放置しているとあっという間に苗を食べつくされてしまいますので、防虫ネットを張って成虫が侵入してくるのを防ぎます。
ゴーヤの育て方⑧ ゴーヤの増やし方
ゴーヤを増やしたい場合で有効なのは、実からとった種を使って増やす方法です。
9月上旬頃、収穫が遅れて黄色くなった実を1~2個とります。手で割るか、自然に割れるのを待って、中の赤い種を取り出します。種の周りについている赤いゼリー質の部分を水で洗ってスポンジでこすり落とします。
種は乾燥させて、翌年にまいて育てます。ネットに入れて風通しの良い日陰に吊るし、乾燥保存させます。水気や日光を与えると発芽してしまうので注意して下さい。
ゴーヤの収穫に適した時間帯は?
ゴーヤの収穫に最も適した時間帯は、晴れた日の午前中です。午後よりも新鮮で甘味の強い実が収穫できる上に、日光が切り口からの細菌感染を防いでくれるのです。
苦瓜の別名があるほど苦味が強い事で有名なゴーヤですが、栄養価の高い野菜ですので、ぜひ収穫した実を色んな料理に使って楽しんで下さいね。
ゴーヤの育て方について色々とご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
美容と健康、エコな環境作りにも貢献できる、お役立ち野菜ゴーヤをぜひ、あなたの生活にお役立て下さい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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