2015/12/15
やまだーこうち
2016/05/18 更新
今回は球根の増やし方をまとめました!次のシーズンもきれいな花を楽しみたいですよね!実は花の球根はタイプによって増やし方が違います。そんな球根の種類から増やし方、増やす際の注意点など、球根植物について色々と紹介していきます!
球根の増やし方を紹介する前に球根の種類を紹介します。
鱗茎(りんけい)
短縮した茎に肥大した葉っぱや葉の一部(鱗片葉)が重なり合って球状になった球根のことをいいます。
タマネギを例にするなら、「タマネギの芯」と呼ぶ部分が短縮した茎で、ペリペリ剥がれる一枚ずつが鱗片葉。さらに鱗片葉が層状になった「層状鱗茎」と、うろこ状に重なりあった「鱗状鱗茎」があります。
代表的な植物…チューリップ、アマリリス、ヒアシンス、タマネギ、ニンニク(以上、層状鱗茎)、ユリ(鱗状鱗茎)
球茎(きゅうけい)
短縮した茎が肥大して球状やタマゴ型になった球根のことをいいます。。乾燥した葉の一部が各節に残って外側を包む薄皮になります。
代表的な植物…グラジオラス、クロッカス、フリージア、サトイモ
塊茎(かいけい)
短縮した地下茎自身が肥大化し、球状になった球根のことをいいます。外側を包む薄皮がないので球茎と区別します。
代表的な植物…シクラメン、アネモネ、球根ベゴニア、ジャガイモ
根茎(こんけい)
地下茎全体が肥大して棒状や塊状になった球根のことをいいます。節が目立ちそこから芽や根っこを出します。
少し変わったものに、地下茎の先端にできる尾状地下茎があります。
尾状地下茎は肥大した葉っぱが重なって松かさのようになります。
形は棒状や尾状です。
代表的な植物…カンナ、スズラン、ジャーマンアイリス、レンコン、アキメネス(尾状地下茎)
塊根(かいこん)
肥大した根が塊状になった球根のことをいいます。
根そのものが肥大化するため、根茎とは種類を分けてあります。
代表的な植物…ダリア、ラナンキュラス、サツマイモ
春植え球根
春に植えると初夏から秋の間に花が咲き、晩秋前に地上部が枯れて冬には休眠期に入る生育サイクルのものを「春植球根」と言います。
また、地上部が枯れたらほとんどの場合は掘り上げて保存します。
日本の四季のサイクルにもっともあったタイプの球根です。
グラジオラス・ダリア・カンナ・カラー・アマリリスなど熱帯性のものが春植え球根には多いです。
夏植え球根
夏に植えると、その年の秋に花が咲き、花が咲き終わったあとから葉がでてきて、夏にはいると地上部が枯れて休眠期に入るタイプのものです。
ほりあげずにそのまま植えっぱなしにする球根が多いのも特徴です。
ネリネ・リコリス(ヒガンバナ)・コルチカム・リコリスなど耐寒性の強いものが夏植え球根には多いです。
秋植え球根
チューリップなどのヨーロッパ原産のものが多く、暑さに弱いものが多いのがこの球根の特徴です。その反面寒さには強いものが多く、ある程度の低温に会わないと花が咲かない性質のものあります。休眠期は夏で、暑くなってくるにつれて地上部が枯れます。
秋植え球根にはユリ・スイセン・ヒヤシンス・チューリップ・ムスカリなど馴染深いものが多いです。
毎年植え替える球根 植え替えない球根
こちらは球根の植え替えについて解説している動画になります。球根の増やし方には、この植え替えがセットになりますので、参考にどうぞ!
ここでは球根の増やし方について紹介していきます!球根の種類に応じて増やし方が異なります。
分球
球根をふやすことを分球と言います。球根はふえたり芽の数が多くなった状態でほおっておくと、きゅうくつなイモ洗い状態になり、十分育たなくなります。そうなる前に分球して十分スペースを確保してあげることが大切です。
新たな球根ができ、自然に分かれるタイプ
鱗茎タイプや球茎タイプのものに多くみられます。
・最初に植えた球根(親球)のまわりに子球が発生して、子球が親球のように大きくなる。
・親球自体が肥大していくつかに分かれる。
・親球自体が分かれてさらに子球が付く。
このように分かれていきます。
自然に球根が分かれるので、「自然分球」と呼ばれ、基本は手で分けます。
この方法は多くの球根で共通する増やし方になります。
ポイントは自然に分かれるまで、分球は行わないことです。無理に分球すると球根を傷つけてしまい、発芽しなくなってしまうので注意が必要です。
球根は分かれないけど、芽の数が増えるタイプ
塊茎や根茎は芽の数が増えて大きくはなりますが、新しい球根を別に作らないので手で簡単に分けることはできません。
付け根ですべてくっついており自然に離れることがないものは、カッターナイフなどのよく切れる刃物で切断必要があります。
分球するタイミングは植え付ける直前で、切断の仕方は少なくとも1カ所は芽が出る部分をつけて切ることです。
この増やし方はきちんと芽の出る部分も一緒に切り分けないと発芽しません。
球根によって芽の出る部分は異なるので、きちんと調べてから作業を行いましょう。
球根によっては増やし方がデリケートなものもあります。カッターなどの刃物を使用するときはしっかりと消毒を行いましょう。
ここでは球根の増やし方について注意点を紹介していきます!
強制的に増やす
球根を強制的に増やす増やし方は、球根自体をダメにしてしまい、芽がでなくなってしまうこともあります。できれば、自然に増えるのが望ましいですが、どうしても増えにくい球根もあるので、その場合は強制的に増やす増やし方を参考にしてみてください。
それでは実際に強制的な増やし方について紹介していきます。
球根の一部を切り取ってしまう方法
分球しにくい性質の球根の増やし方です。
植え付け前に、球根の基部をえぐり取ってしまうか、大きく傷を付けてから植え付けると子球がでやすくなります。
切り口は腐りやすいので、切り口をよく乾かして、雑菌などが入らないようにしてから植え付けるようにしましょう。切るときに使用するカッターナイフなどもよく切れる、清潔なものを使いましょう。
この増やし方は、失敗すると球根をダメにしてしまうので、作業する際は細心の注意を払いましょう。
スケーリング
分球しにくいものの中でも、アマリリスによく使う増やし方です。
頂点部を中心として、放射状に切っていきます。(料理で言うとくし切りのような状態)
切る際、頂点部と基部(根のでる下の部分)が必ず切り取った断片につくように切らなければなりません。そうしないと、根がでないあるいは、芽が出ないかどちらかの弊害が発生します。これを土にさすと、いづれ子球が発生してくるので、その子球を大きく育てます。
ユリの場合
これはユリの球根での増やし方です。
ユリの球根はウロコ状の鱗片が重なって一つの球根のカタチになっています。この鱗片を一つずつはがしてバーミキュライトなどの無菌の土を入れた鉢にさして育てます。
しばらくすると根が出て、小さな球根が作られるので、ほかの鉢に一つずつ植えて育てます。
このユリの増やし方は、花が咲くまでに3年程度かかるようです。時間がかかるので注意しましょう。すぐに楽しみたい場合は、自然分球を行うか、球根を購入するかなどしたほうがよさそうです。
強制的に球根を増やす増やし方は、あくまで個人で花を楽しむ範囲で行いましょう。
ここでは球根の保存方法について紹介していきます。せっかく増やしても、保存の方法を間違えれば無駄になってしまいます。
消毒剤
実は球根の増やし方に欠かせないアイテムは消毒剤です。
保存している期間に腐らないようにするためには、保存方法に関わらず必要となりましす。
乾燥させて貯蔵する方法
葉や茎をつけたまま球根を掘り上げる
雨の当たらない日陰に7~10日球根を置き、よく乾かす
市販の球根消毒剤に15分ほど浸す
ネットなどの網袋に入れる
風通しのよい日陰に吊るす
チューリップ、ヒヤシンス、ラナンキュラス、アネモネ、アイリス、クロッカス、ムスカリ、リコリスなど
乾燥させずに貯蔵する方法
掘り上げる数日前から水やりをやめ、土を乾かす
球根を掘り上げ、表面についた土を落とす
球根から茎、葉、ヒゲ根、黒ずんだ古い皮を取り除き、市販の球根消毒剤で消毒する
湿らせたバーミキュライトや、おがくずにくるみ、ビニール袋に入れる
箱に入れて暖房の効いていない室内で管理する
ユリ、ダリア、カラー、ベゴニア、カンナ、サギソウ、アルストロメリアなど
素敵にフラワーライフ 「球根植物の楽しみ方」
球根植物の楽しみ方について一通り紹介した動画です!今まで馴染みがなかった方にはおすすめです!球根の選び方など参考になりますよ!
いかがでしたか?
今回は球根の増やし方についてまとめてみました!ホームセンターで球根をその都度買ってもいいですが、自分で増やしてみてもいいですね!ただし、増やし方を間違えたりすると、球根そのものをダメにしてしまうので、しっかり確認してから行いましょう。今回の球根の増やし方が少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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