2016/08/17
やまだーこうち
2016/05/22 更新
可愛らしさと育てやすさとで最近大人気の多肉植物。繁殖力も強いので、種類によってやり方が違いますが、葉挿しや挿し木、株分けなどで簡単に増やせます。そこで今回は、多肉植物の種類や葉挿しのやり方などを中心に色々とまとめてみました。
まずは多肉植物について簡単にご紹介します。
多肉植物とは
多肉植物とは、葉や茎、または根の内部などに水を貯蔵する事ができる植物の総称です。
砂漠や海岸などのような過酷な環境に自生している植物のため、このような特性がついたと言われています。
分類上、非常に多くの系統の植物が含まれるため、原種だけでも1万5千種類を超え、
園芸品種を加えると2万種類を超えると言われています。
カラフルで個性的な姿が人気
多肉植物の人気の理由は、何と言ってもその豊富な色彩と個性的な姿。インテリアに最適だと現在も人気上昇中です。
寄せ植えも人気がありますが、小さなものをテーブルに置いておくだけでもオシャレ度がアップしますよ♪
サボテンも多肉植物の仲間
多肉植物と同じく人気の高い植物であるサボテン。実は多肉植物の仲間なのです。
ですがサボテンは非常に種類が多い植物なので、園芸の世界ではサボテンと多肉植物とを分けて扱っている場合が多いそうです。
続いては、多肉植物の種類をご紹介します。
前述の通り、多肉植物は非常に種類が多いので、
ここでご紹介するのはほんの一部です。
多肉植物の種類① アロエ
古くから薬草として親しまれてきた多肉植物のアロエ。
南アフリカを中心に、マダガスカルやアラビア半島の砂漠や草原地帯などに約400種が分布しています。
日本でよく知られているアロエの主な品種は、以下の2つです。
キダチアロエ
約400種類ある多肉植物のアロエの中でも、最もポピュラーな品種がキダチアロエです。
鎮静・殺菌作用があるので火傷や口内炎などに効き、胃腸にも良いそうです。
「医者いらず」の別名にふさわしい効能・効果ですね。
このように、キダチアロエは食用・薬用・観賞用と
様々な場面で活躍してくれる素晴らしい多肉植物です。
ただし、ものすごく苦いので、食用の際は少しだけ覚悟が必要です。
また、現在はワシントン条約で輸出入が制限されているそうです。
アロエベラ
キダチアロエに比べると果肉部分が多く、ゼリーのような歯応えがあるのが特徴の多肉植物です。
苦味も少ないので食用としてよく用いられます。多糖体が多いので、軽い便秘にも効果があるとされています。
キダチアロエとの外見の違いは、茎が短い事と大きさの2つがあります。
アロエベラはアロエの中でも最も大きく、キダチアロエの10倍以上の大きさに成長します。
性質では耐寒性に大きな違いがあります。
キダチアロエは耐寒性があり、ロシアなどでも栽培されていますが、
アロエベラは非常に寒さに弱く、日本では沖縄でしか育たないと言われているほどです。
多肉植物の種類② ハオルチア
日陰を好む性質があるので、室内で育てやすい多肉植物です。
300以上の種類があり、透明で柔らかい葉が特徴の「軟葉系」と、固く鋭い葉が特徴の「硬葉系」の2つの系統に分けられます。
ハオルチアの主な品種は以下の2つです。
ハオルチア・オブツーサ
多肉植物ハオルチアの軟葉系の代表品種が、この”ハオルチア・オブツーサ”です。「雫石」という別名があります。
丸い葉の上の部分が透明なので、光を通して輝いているように見えます。
十二の巻
多肉植物ハオルチアの硬葉系の代表品種です。細長い葉を放射状に広げるようにして育ちます。
白い横線が入る独特の模様が、とてもスタイリッシュで個性的ですね。
多肉植物の種類③ 女仙(メセン)
2000を超える種類がある多肉植物で、南アフリカを中心に、オーストラリア、ニュージランド、アラビアと広く分布しています。
女仙の名前は、すべすべした肌と綺麗な紋様が女性的な事に由来しています。
形が多様なのも特徴の1つで、日本では丸型・鞍型・玉型の3種類に分類されています。
秋に白や黄色、ピンクなど様々な色の花を咲かせます。
コノフィツム
コノフィツムは多肉植物女仙の代表的な品種の1つです。複数の株が群生しているものが多い植物でもあります。
”コノフィツム・フィシフォルメ”や”コノフィツム・ラツム”など、たくさんの品種があり、形も様々です。
リトープス
異彩を放つ姿から愛好家が多い多肉植物女仙の中でも、ユニークな形態と表面の紋様から人気が高い品種です。
種類・品種も多く、”日輪玉(にちりんぎょく)”や”紅大内玉(べにおおうちぎょく)”など、バラエティ豊かな品種が市場にたくさん流通しています。
多肉植物の種類④ セダム
セダムは耐暑性も耐寒性もあり、育てやすくて繁殖も容易な事から、ホームセンターなどでもよく目にする多肉植物です。
手間がかからない事から、都市の屋上緑化にもよく利用されています。
マンネングサ
多肉植物セダムの仲間で、日本に自生している品種です。草丈10cm~20cmに生長します。
匍匐してどんどん株を大きくします。乾燥に強く、少々の日陰でも問題無く育つので、庭植えだとほとんど手間がかかりません。
多肉植物の種類⑤ カランコエ
色鮮やかな花と美しい葉が女性に大人気の多肉植物です。「子宝草」という別名があります。
乾燥に強いですが、過湿と寒さに弱いので、鉢植えで育てるのがおすすめです。
クイーンローズ
ヨーロッパの園芸界でブームとなった、多肉植物カランコエの人気品種です。
名前の通りバラを思わせる観賞価値の高い花が特徴で、花色も赤、オレンジ、黄色、ピンク、白と、豊富で明るい色がそろっています。
草丈20cm前後、横幅も20cmほどとコンパクトにおさまります。
花もちも良く1ヶ月以上咲き続けるので、鉢花に最適です。
多肉植物の種類⑥ クラッスラ
クラッスラは、原種が500ほど存在するとされている多肉植物です。
葉の形が楕円形、円形、三角形と様々な形があり、とてもユニーク。
秋には紅葉が見られるところも人気です。
クラッスラ 花月(かげつ)
多肉植物クラッスラの品種の1つ。一般に”カネノナルキ”として流通しているのは、この品種です。
名前の由来は、丸い葉の形が硬貨に見える事からきています。
低木ですが、地植えにすると3m以上に成長するそうです。
斑入りの葉を持った品種もあります。
多肉植物の種類⑦ アガベ
アガベは南アメリカ・メキシコ・西インド諸島などに300種以上が分布している多肉植物です。
樹液がテキーラやシロップなどの原料として使用される事でも有名。
葉の先端に鋭いトゲを持っている品種が多く、庭木として栽培される事も多い多肉植物です。
リュウゼツラン
鋭く尖った葉が特徴の多肉植物です。
ゆっくりと成長するので、大きくなるのに時間がかかる事から「センチュリーフラワー」という別名があります。
センチュリーフラワーには「100年に1度しか開花しない花」という意味がありますが、
実際は10年~50年で開花します。
多肉植物の種類⑧ エケベリア
北アメリカ南部からアルゼンチン北部に自生している多肉植物です。180以上の原種が存在しています。
バラの花のような姿から人気が高く、園芸品種は数えきれないと言って良いほど存在するそうです。
エケベリア・エレガンス
直径10cmほどに生長する多肉植物エケベリアの代表品種です。
白みがかった青緑色の葉が特徴で、夏にピンク色の花を咲かせます。
名前の通りの上品な雰囲気から人気も高い多肉植物です。
この他にも、多肉植物の種類はまだまだたくさんあります。
色々調べてみて、自分に合った品種を見つけて下さいね。
多肉植物は大別すると「春秋型」「夏型」「冬型」の3つに分かれており、
育て方も少し異なっています。
しかし枯らしてしまう原因として、共通のものがあります。
水やりに注意!
多肉植物を枯らしてしまう原因の多くは「水のやり過ぎ」です。
多肉植物は自分の体に水を貯蔵できるので、一般の植物と同じ調子で水を与えてはいけません。
春秋型の多肉植物は、耐暑性と耐寒性とを、ある程度備えており
繁殖力も高い品種が多いので、初心者向きです。
代表的な種類にはセダムがあります。
夏型の多肉植物は耐暑性があり、20度~30度の気温を好みます。
代表的な種類はアロエ。サボテンも当てはまります。
そして冬型ですが、名前に反して耐寒性はそれほどでもなく、日本の冬は苦手です。
さらに夏の暑さにもあまり強くありません。生育温度は5度~20度ほどです。
代表的種類に女仙などがあります。
多肉植物の増やし方で主なものは「葉挿し」「挿し木」「株分け」の3つです。
ここでは、「葉挿し」のやり方をご紹介します。
葉挿しとは
葉挿しとは、文字通り葉を用いる増殖方法の事です。
生命力が強く、葉や茎などに水を貯蔵できる多肉植物は、葉挿しにはうってつけの植物なのです。
葉挿しに適した季節
葉挿しに適している季節は、生育期にあたる春と秋が良いと言われています。
特に夏型は春、冬型は秋、そして春秋型は両方が葉挿しの適期なのだそうです。
葉挿しに適している多肉植物は?
実は多肉植物の中には、葉挿しに向いているものと、そうでないものとがあります。
葉挿しに向いている多肉植物はエケベリアやセダム、カランコエなどです。
アロエやアガベなどの葉に厚みがないもの、葉数が少ないもの、そして大型種は、葉挿しには向いていないと言われています。
葉挿しに必要なものは?
まずは多肉植物の葉を用意します。何かの折に取れてしまったものや、自分で取ったものでもOKです。
ただし、どちらの場合でも、付け根の部分から取れている、切り口の綺麗な葉である事が条件です。
葉に傷が入っていたり、剥けていたりすると、新しい根や葉が出てこなくなる可能性があります。
そして乾いた土と平鉢。土はバーミキュライトや赤玉土(小粒)、川砂などです。
元気な多肉植物から、葉挿し用の葉を取る時は、
しばらく水を与えていない状態のものから取る方がやりやすいですよ。
葉挿しのやり方①
平鉢に乾いた土を入れて、葉を並べます。
「葉挿し」という言葉から、葉を土に挿す作業を想像する方もいるかもしれませんが、置くだけで大丈夫です。
ここで水はやりません。腐ってしまう原因になります。
直射日光を避け、半日陰で管理します。
葉に日付を書いておくと良いですよ。
葉挿しのやり方②
葉挿しが成功していれば、数週間で発根します。
根が出てきたら軽く土に埋めて、霧吹きで水を与えます。すると若芽が出てきます。
元の葉は若芽の大事な栄養分ですので、枯れるまで放置して下さい。
葉挿しのやり方③
若芽が2cm以上に育ち、元の葉が枯れてきたら鉢に植え替えて日なたで管理します。
元の葉がカラカラに枯れたら、ピンセットで取り覗いてあげましょう。
これで葉挿し作業は完了です。
多肉植物の種類や葉挿しでの増やし方などをご紹介してきましたが、
いかがでしたでしょうか?
個性的でキュートな多肉植物を、ぜひ増やしてお部屋の演出に役立ててみて下さいね♪
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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